バカガイ。

• 貝類

本名はバカガイと不本意ながら、剥けばアオヤギ、柱は小柱、干物はサクラ貝と、粋に呼ばれりゃ幸せだな。 舌（足というか）は、動物の舌のように艶かしく、食べれば……

赤坂「Furuya」にて

• 東京,
• フランス料理,
• 根菜,
• 貝類

生のあやうい色気と、焼いたかぐわしさを同居させて、帆立は佇んでいる。 越冬するために甘みを蓄えたコールラビのソースをすくい、野菜類や帆立と一緒に口に運ぶ。 ……

惚れてもいいんだよ

• 白身魚,
• 和食,
• 割烹,
• 根菜,
• 京都,
• 甲殻類,
• 豆,
• 貝類,
• 川魚　淡水魚

「わたしに惚れてもいいんだよ」。 伊勢海老が囁いた。 目の前でさばかれた伊勢海老の胴体は、湯葉で巻かれて揚げられ、伊勢海老の味噌は、吉野葛でとじられて餡……

ハマグリは濡れていた

• 東京,
• 貝類,
• てんぷら

ハマグリは濡れていた。 体液を滲ませて、じっとりと濡れながら、囁いている。 見ないで。早く食べて。 熱々を口にすれば、まだ生の気配があるのに加熱された甘さ……

「焦らさないで」

• 白身魚,
• 割烹,
• 広島,
• 居酒屋,
• 貝類

「焦らさないで」。僕はサワラに、そうお願いをした。 脂がじっとりとのっているのに、品がある。 気高いシルクのブラウスで包んだ色香が憎い。 なんというサワラ……

高知の「よこじい」

メニューにないラーメン

• 高知,
• 貝類,
• ラーメン

「よしなら、メニューにはないけど、どこでも食べたことない奴作ったる」。そういってヨコジイは動き出した． 飲んだ後に肉はいらんやろ。うどんにしよかと思っても、ラー……

変態が好きである

• 和食,
• 白身魚,
• 光り物,
• 魚介,
• 赤身魚,
• 北海道,
• 札幌,
• 甲殻類,
• 貝類,
• すし

変態が好きである。 変態と呼ばれて、喜ぶ職人が好きである。 「変態ですね」というと、札幌、「鮨の蔵」のご主人は、嬉しそうに微笑んだ。 ４８℃で３０分漬けた……

シンコ　可愛いや

• 東京,
• 光り物,
• 貝類,
• すし

シンコ　可愛いや、切なきや。 つたなき味に、生きとし生けるものの無常あり。 アオヤギ　麗しや、巴型。 艶やかな肌合い、色香の風。 銀座「からく」にて。

白山「ダディーニ」

「合一」という料理の真髄

• 東京,
• イタリア料理,
• 貝類,
• パスタ

トマトのうま味がバイ貝の滋味を、静かに支えるソースは、ストロツァプレッティの一本一本と抱き合い、僕らの心を笑わせる。 バイ貝は滋味を出し切っているのに、固くない……

「ドM」である

• 東京,
• 割烹,
• 貝類

鳥貝は、「ドM」である。 虐めてこそ味が出る。 貝の王様とも言うべき、メロンのような香りと品のあるエロい甘みをいたぶると、さらに味を変化させる。 「……