12/8白金センス
数々の星付きレストランで修行し、最後にシェフを務めた店を星付きにした近藤正之シェフは、日本の食材を巧みに駆使して、イタリアの精神を編み出している。やたら食材を合わせることなく、一つの食材の良さをさまさまな調理法で引き出して、掛け合わせる。われわれはそこで、今まで知っている食材でさえ、新たな魅力を見出し、感謝という言葉を噛み締めるのだ。
1アミューズ
・温かいニョッコフリットとクラッテロ 生ハムが温められ、香りと味が膨らむ ・揚げたフジッリ。 ・オレンジ色の半球体は、水牛のモッツァレッラにトマトソースゼリー。・抹茶風味のチュロス。リング状の乾パンは、青海苔風味のシチリア風焼き菓子。ほのぼのとした甘さがいい。・菊芋とアンチョビのフィナンシェ。アルバ産白トリュフ入りホワイトチョコ。こんな妖艶なチョコは食べたことがない。
・パンは、古河市小麦とプレーンなフォカッチャ。チャルダは、赤米とポレンタ。
2ランゲ 11種の生野菜や果物、6種の茹で野菜。3種の野菜のフライ、1種のソテー。2種のオーブン焼きした野菜。低温調理した1種の野菜。その他鳥のだしと合わせたり、ゼリー状にしたり、チャルダにしたりなど、燻製、発酵などの野菜が11種類。それぞれの野菜の特性を活かした、気の遠くなるような仕事がなされていて素晴らしい
様々な香り、甘み、苦味、渋み、辛味、酸味が混ざり合い、時には突出して、現れ消える。森の中に迷い込んだ神秘がある、崇高なサラダ。
3.マグロの薄切りとビーツ。別コラムを参照してください
4.茹でた鱈の白子と茹でた雪菜。芽キャベツの素揚げ。
食べた瞬間に「ああ北イタリアにはこういう料理があるんだ」と、思ってしまうほど、自然な味わい。白子に土くさいものを合わせるとは、なんというセンスだろう。ねっとりと官能を刺激する味わいの白子に、青々しさや苦みや芽キャベツの甘みがよりそう。一見繋がっていないと思われる両者だが、互いのないところを補完しあって響き合い、一つとなっっている。
5ペスカトーレ.蟹、ムール貝、あさり、フカヒレ、蛤伊勢海老の頭などで2時間炊いたスープを元にして。ああ咽びかえるような海の豊穣が、舌の上でざぶんと波しぶきをあげる
6.3日間寝かしたタリアッテレとと白トリュフ。 もう何もいうまい。艶めかしく精神を勃起させるパスタ
7.島根県の黒毛のロティ。勝部牛。マッシュルームのパウダー カブのソース、
素晴らしい。加熱精妙、噛むほどに味が出る牛にカブの香りとほのかな甘みが
8.山形県河北牛の二週間熟成。熟成香とトリュフの香が隠微に混ざり合う
9.高徳りんごジェラート。 後から抜ける酸味が優しい
10.北海道産水牛ののスープとジェラート、ムースとメレンゲ。それぞれに味が微妙に異なる
11.小菓子 ローリエクッキー.ホワイトチョコライムトピンクペッパー.ラングドシャー.パッションフルーツのマシュマロ他
閉店2020年