ポークカレーが来た。
ポークを選んだのは、モルディブフィッシュの出汁と同じ、イノシン酸をたっぷり含んでいるので、相性がいいからである。
豚肉を齧って、カレーとご飯を食べる。
するとどこか懐かしさが押し寄せる。
さあこれからが本番さ。
そして上から薄焼き煎餅のパパダンをふりかける。
豆カレーの優しい甘み、ビーツの酸味、モージュの甘酸っぱさ、ニンジンやケールの香りや苦味、かぼちゃやジャガイモの甘みとスパイス香、イワシ丸干しの苦味と塩気が渾然一体となって、後から先から口に訪れる。
ポークカレーだけじゃ足りなくなって、スリランカ特有のココナッツを使ったカレーである、フィッシュカレーも頼んだら、ココナッツの丸い甘みが加わって、ますます楽しいぞ。
これぞ口中調味の極致、次々と現れる五味や香り、食感にはまり、しばらく経つと、無性に食べたくなるのだな。