六本木「ラ・ブリアンツァ」

カルボナーラの透明。

食べ歩き ,

そのグアンチャーレでカルボナーラを作ったら、どんな味になるのだろう?
いぜんFBで紹介した、幻のグアンチャーレ(豚ほほ肉つまり豚トロを塩漬けにして2、3週間熟成したもの 2枚目の写真)である。
豚脂の純真が濃縮されて、口内のどこにもひっかからずに甘く溶けていくグアンチャーレである。
脂の量が多いからきっと、パスタに脂がからんで、さぞいやらしいカルボナーラになるだろう。
そう思っていた。
しかし想像は外れたのである。
拍子抜けするほど、綺麗な味なのであった。
加熱されたあの脂は、微塵も脂っぽさを感じさせずに、卵やペコリーノと抱き合っている。
かすかに熟成香がするだけで、口に入れた瞬間、夢になる。
こんな品のあるカルボナーラは初めてである。
おそらく脂の質がいいのだろう。
豚が健やかに育っているのだろう。
数多くのカルボナーラを今まで食べて来たが、これほどまでになくなるのが寂しくなるカルボナーラはなかった。