脇元かな子さんの優しさが、皿から溢れでる。
食材を見る目が真摯で、愛があり、そこに自己を入れ込んでいないので、味がとても素直である。
だからここは居心地がとてもいい。
神谷町「空花」。
★鮑と夏野菜の冷菜 肝のジュレソース。山芋が小さく切られ、鮑や野菜とのバランスがいい。肝のジュレは固めてあるので、からみがいいなど丁寧によく考えられている料理が先付けに出されると、心が晴れる。
★みる貝の梅和え。貝の胡瓜の香りに夏が弾ける。貝の甘みが次第に出て、梅の酸味と馴染んでいく。
★鰹と金目鯛炙りのお造り。ハスイモとオカヒジキ。魚介類は、三浦半島の佐島漁港から直送しているという。鰹が実に滑らかでいい。またツマに余計なものがないのが美しい
★とうもろこし豆腐のお椀。椀種は豆腐と車海老。「かんだ」譲りの淡い淡いお汁が美しく、凛としている。
★かますのあぶり棒鮨。きれいな味わい。整え方が素晴らしく、かますのエレガントさが生きている。
★八寸
いちじくのごまダレかけ。イチジクの切ない甘さを生かす、ゴマだれの塩梅が見事。 イワシジュレがけ。
イシガレイ酢味噌ポン酢あえ。石がれいのほのかな甘みと香りとポン酢の出会いがいい。太刀魚と枇杷の揚げ物。太刀魚の揚げ物の良さもさることながら、揚げたビワをそこに合わせる発想がい。琵琶は、揚げて甘味が強くなると思いきや、楚々とした雰囲気になる。タコ柔らか煮
★サザエの揚げ物
サザエ料理のベスト。FB参照
★すき焼き
★鮎の炊き込みご飯
こちらも濃すぎず合わすギスという一点に留まった塩梅がいい。
デザートは、酒粕チーズケーキ、桃とシャインマスカットの白ワインゼリー、青梅蜜煮シャーベット、アイス最中 、蕨餅など、五種類から二種類選ぶ。鎌倉で「茶房空花」を営むだけあって、どれもよく練られている。コース一万五千円。