困った、また食べに行きたいと思う店ができてしまった。
札幌「トラットリアオクムラ」9/14
決して肩肘を張ることなく、自然に味を作る。
それがどれほど困難なことか。
それがどれほどイタリアであるか。
しかしオクヌラシェフは飄々としながら、さりげなく自信作を出してくる。
こういう料理人がたまらなく好きだ。
★せたなのトマト 木更津 竹島さんのモッツァレッラ
「今朝作った水牛のモッツァレッラが手に入るなんて、北イタリアでもないかもしれない」というそのチーズは、乳そのものである。
噛み締めた途端に、純粋という言葉が浮かんだ。
それほど淀みも汚れもない。
そのかすかな甘みが、甘いトマトに寄り添い、トマトを清める。
★ウニスケッタ
夏のスペシャリテである
トスカーナ産のオリーブオイルの香りと辛味がウニのうま味と調和する
塩の入ってないパンと塩胡椒。
★羽幌のマグロ ガルム ドライトマトペースト
ごろっと切った大きさがいい。噛むとかすかな酸味が立ち、ガルムの塩気やトマトのうま味が持ち上げる
★自家製バッカラと甘酢玉ねぎ
しっとりと仕上げたバッカラは、たらの美味しさを知る北海道人の誇りか。
ほの甘く崩れゆく干し鱈の旨さに笑う。
★シャントレル ヒナアンズ茸のスープ
一口飲んだ途端におし黙る、森の神秘を秘めたスープ。
★茸のリゾット
ああ秋だ、キノコだ、キノコの香りをまとった米の甘みが嬉しい。
★香味野菜とウサギのタリアッテレ。FB参照
★ランプレドット
なんと穏やかな味わいだろう。
丁寧な下処理と的確な切り方、それぞれの食感の活かし方。
自信に満ちた皿。
メインにこれを選んだシェフのセンスが楽しい。
★コルベット花の蜂蜜 リコッタ