浅はかだった。

食べ歩き ,

浅はかだった。
店名を聞いた時に、「自らの店に名山とつけて孤高を狙うような感じが嫌だな」と思ったのだが、地名だった。
「名山という街に物件があったので、わかりやすいようにつけたんですが、向かいの安井に物件があったら、「安井きみや」で、安くはないじゃないかと怒られでしょうね」と、弟さんが冗談を言う。
さてその「名山きみや」のすべて 。
2時間氷出しした、知覧の豊緑。 貴茶。旨みの多さに驚く
3鹿児島で作っている通称「古代海苔」の浅草海苔 ウニ巻き。口どけの良さ
4通称「秋太郎」と呼ばれるバショウカジキ の蛇腹。へそ周り。脂の甘みが品がいい。
松茸のフライ
5海老芋、水菜、ニシン、万願寺とうがらしの炊き合わせ。素晴らしい!!
6錦江湾にて朝獲れた、紅葉タイ。煎り酒を塗って。わざと厚く切ってむっちりした食感を生かす。何か切ないような微かなじっとりとした甘み。
7南フランスのデザートワインと島根のアンキモ。エレガントな甘み。
 アンキモを茹でて包丁で撫でるように潰す。
8阿久根の車海老。 生きているうちに出汁につけ、染み込ませ、蒸す。
 殻をむいて、尻尾だけをレモンとシトラス美漬け込んだオリーブ油に漬ける。
9ハモと松茸のお椀。お椀は、120年前の京輪島
10しっかりしめたコハダ。酢飯温度が冷えてきたところと合う。光り物爾今。
11フォアグラの茶碗蒸し、春菊と菊、松茸のアン。フォアが裏をコクの隠し味にしている店が心憎い
12カマス松茸焼き
13タイの仲間でタイよりねっとり、じれったい香りがする「ヘダイ」
14 シマアジ なめらか、わざと少しだけ血を回す
15サワラ松前漬け、昆布とスルメの出汁醤油に漬ける。振りゆず。
16鮭ご飯、出汁で 炊いた

煮切りは、煮切りではなく酢醤油。
120年前の器や130年前の銀のスプーン
バカラの水差し

鹿児島「名山きみや」の酒