酔海蜆(しじみの紹興酒漬け)。
三重産桑名の大しじみを使用、小さな蛤か?というほど大きさで、中はとろとろ。
和菜絲(豆腐絲や干し椎茸、人参などの千切りの和えもの)。
豆腐絲の元となる押し豆腐が手作りなことに驚きました。
豆腐を水にさらし、二度めに浮いてきたものを晒し布で包み、ひと晩置いておくそう。一般的に売っている押し豆腐は、処理をしないとザラザラなものがありますが、びっくりするほど滑らかで、味わいがやさしいです。
葱油鶏(鶏の温製葱ソース)。
北京遊膳にきていつも思うのが、鶏料理のおいしさ。こちらは葱の風味が尖っておらず、角がとれているんですね。絶妙な塩味と葱の香りで、いくらでも食べられる。
イカに 鹹蛋(塩漬け卵)を詰め込んだ前菜。
鹹蛋はかなり塩気が強いんじゃないか?と思いきや、その塩気がイカに移り、それほどしょっぱくないことに驚かされる。ホクホクと濃厚な鹹蛋の食感と、密度の高いイカの食感が味わえます。見た目もきれい。
扒四絲魚翅(ふかひれ、なまこ、豚肉、筍の煮込み)。
この煮込みがまたあっさりしていて美味。これぞ、古いけれども古臭くない料理
紅焼有頭蝦(大正エビの煮込み 花巻添え)。
殻ごと煮込んだ、海老味噌の風味の紅焼(紅焼=煮詰めてソースが赤色になった料理)。
北京ダック。
こちらの薄餅(包む皮)の大きさが均一なのは、ヘリの部分をカットしていたから。そんなところまで気を遣われていたと!甜麺醤は手作りです
葱爆散肚(牛ハチノスと葱の強火炒め)。
実は内臓料理も数多くある北京・山東料理。シンプルに葱と強火炒め
砂鍋羊肉(羊肉の土鍋煮込み)。
骨付きから肉を外し、一口大の塊にしたところに下ごしらえをして、土鍋で煮込んだ料理。一口食べてびっくり、ものすごく羊羊しい…!理由は、羊の骨からスープをとり、それで煮込んだからだそう。
鍋塌魚片(グゥォターユイピェン)。
軟らかな銀むつの身の魚に衣を付け、衣にスープを煮含めた料理。(ターは昔の表記で火偏も。同店では鍋蹋と表記)
北京・山東系の伝統的な調理法で、有名なのが鍋塌豆腐。香ばしい油の香りがたまりません。
赛螃蟹(サイパンシェ)。
120~130℃くらいの低温の油で加熱し、卵と白身魚(ここでは鯛を使用)で、軟らかな蟹のような、ふるふるの食感を創りだしていきます。
上にかけた卵黄は、この料理のための特注品。スーパーで売っている卵ではこのようにならなかったのだそうです。
川滷麺(塩味のそば)。
川は四川の川ではなく、川のようにすっきりしているという意味合いだそうです。もみじでとったスープのおいしさよ…。
斎藤シェフの創作デザート。
レモン汁に漬けた洋梨に、黒胡椒を刺し、しょうがを入れてて煮て、ほのかにシナモンの香りをつけたコンポート。この「ほのか加減」が北京遊膳だなと思いました。