元赤坂  懐石 辻留

懐石 辻留  秋

食べ歩き ,

涼しくなり、旅したくなというテーマで、お軸や絵はしつらえていた。

お軸は「古都」。

墨痕鮮やかな、京都への想いが込められた書は、奥村土牛作。

絵は、「旅すがら」

旅の途中が描かれた、可愛くも思える絵は、竹久夢ニ作。

どちらもさりげなさの中に秘めた、深い想いがにじむ。

お花は、矢筈芒(やはずすすき) 吾亦紅(われもこう) 竜胆(りんどう) 木槿(むくげ) 石芋(別名菊芋擬き、姫ひまわり 黄色い花)

外は台風の影響で豪雨でしたが、もう秋なのです。

向付

甘鲷一塩花穗 岩茸 山葵

皮ごと一塩した甘鯛は、余分な水分が抜けて、ねっとりとうまい。

そして甘鯛は、やはり細造がいい。

器:鲁山人 備前 三日月

椀物

蓬麩 鱧 松茸 芽蓮草 柚子 鱧松茸 土瓶蒸風塗物

飲めば、松茸の香りがふうわりと。最初の一口が肝心。

お椀:秀衛椀

京より職人を招来し、岩手県特産の漆と金をふんだんに使い、器を造らせたのが起源。堅牢な本堅地下地を用い、菱形と短冊形に切った金箔を源氏雲の上に組み合わせ装飾した【有職菱紋】 素朴ながら華麗な味わいを見せる。

炊合

ウド、湯葉 穴子、インゲン、柚子

白焼

こてっと、お酒、濃口、味醂で炊いた穴子と、淡い味付けにした湯葉との取り合わせの妙。

器:永楽 赤绘

焼物

カマスの源平焼き。幽庵焼き 塩焼の方は少し食べちゃいましたの写真。

塩はかますの繊細を、幽庵は、凛々しさを引き出す。

源平焼きとは、赤と白の二色に焼き上げた料理につける名称で、源氏(白)と平家(赤)の旗の色に由来

器:鲁山人 鉄 秋草皿

揚物

キスあられ揚 車海老春揚 青唐辛子塩衣揚 すだち

あられ揚げの細かい衣の食感がキスの繊細な身を引き立てる。

あられ衣は、小麦粉卵白 しんびき粉(もち米を蒸して乾燥した後、粉砕して煎ったもの)

器:鲁山人 菊皿

酢物

宝蓮革·菊花·北寄貝 お浸し

北寄貝炭火で焼いて細切りにして、地つけておく。

器:黄瀬戸筒 五代加藤伸也 作助窯

瀬戸の陶祖とされる「加藤四郎左衛門景正」の流れを汲む名門窯

留椀

赤だし  三つ葉

細かく細かく切った三つ葉の香りがいい

脚飯

松茸御飯 昆布と鰹出汁、薄口と御飯 刻んだ松茸を一緒に炊き上げる。

松茸がいばらすぎずに、ご飯と馴染んでいる。これが品。

漬物

しば漬 沢庵 新瓜奈良清

菜子

粟粉餅