車門力おの澤9/17
銀座の人気割烹「矢部」で修行された小野澤誠氏が開いた店。清潔感に富む店内は、ゆったりとした厨房と向き合った、鍵の字型カウンターが広がる。秋のメニューは以下の通り。
★先付 石川小芋と栗の茸餡掛け。ジャンボ舞茸とキクラゲ ナメコ。さりげない素朴な秋を告げる。
★おしのぎ 白キスの飯蒸し オリーブ油と柚子で乳化させたハモの子供の塩辛。淡い中に上品な酒呼びがあって心憎い。
★竹岡の太刀魚と賀茂茄子 菊のお椀、少し地味な感じの出汁が素朴でいい。太刀魚の質が素晴らしく、ほの甘く下の上で崩れていく。
重陽の節句ゆえの菊のあしらい。
★お造り。広田湾の石垣貝の炙り。香ばしさが立った後からミルキーな味わいが忍び寄る。神津島の黒むつ。じっとりと脂がのっている。宮城延縄の鮪。滑らかで、脂の品がいい。
★焼物。山口のマナガツオ祐庵焼き とうもろこしかき揚げ 地生姜。マナガツオの質が素晴らしい。祐庵地の塩梅がいい
★焼物 熊本400gの鰻 椎茸 新イクラと菊菜おひたし。鰻の香りがたまらない、天然鰻の皮が魅力的。、
★鱧のフライ 新蓮根に海老。海老の質がいい。柔らかく甘い香り。ハモのフライを割ると、中からコンテチーズがとろりと流れ出る。鱧の淡い旨味をチーズが膨らます。若いしなやかな感性が生きている。
★鱧と松茸の小鍋仕立て。ブータンの松茸は充分に香る。国産に固執せず、手頃なコースを作ろうとしている点がいい。
最後は「矢部」同様に自家製手打ちそばで締めくくられる。立つ地そばで締めくくられる。蕎麦北海道の北早生
石狩沼田のそばだそうで、よく練られていることを感じるそばに甘みがあり、かすかにスモーキーな香りを感じる。それが締まったそばつゆと出会うと少し味が太く感じる。蕎麦を手繰った後にすかさず、お酒と合わせても香り膨らむのでおすすめである。
続いて温かい花巻蕎麦もいただいた。 海苔の甘みと蕎麦の甘みが合って、実に調子がいい
★甘味丹波篠山小田垣の黒豆ときな粉のババロア。白ワインゼリーがけシャインマスカット。黒豆素晴らしい