「青椒肉絲」は、18世紀初頭に貴州省と湖南省で生まれ、後に四川省にも定着した料理だという。
元々は青唐辛子と豚肉だけであり、筍やピーマン、オイスターソースやごま油も使わない料理だった。
原点の作り方である「青椒肉絲」を食べてみた。
甘長唐辛子に少量の青唐辛子と豚肉だけのシンプル極まる「青椒肉絲」である。
口に運べば、シャキッと甘長唐辛子が弾けて、青々しい香りが鼻に抜けていく。
そこへ豚肉の優しい滋味が追いかける。
最後に唐辛子の刺激がやってくる。
二つだけの食材ながら、的確な火の通しと精妙な味付けによって、豚肉肉の柔らかさと甘みが引き立ち、青長唐辛子の瑞々しさと香りが生き生きと迫ってくるす。
余分な甘さがないので、後口もすっきりとして、凛々しくも優しい。
ああ、こんな素敵な青椒肉絲で、白いご飯を掻き込んでみたい。