甲殻類
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銀座天丼恋歌その1 <天丼の理想>
ある日突然、天丼が食べたくなる時がある。 丼つゆに潜らせた、からりと揚げた海老天を、ガブリと噛み、丼つゆ染みたご飯を、猛然と掻き込みたい。 その光景が浮かぶと……
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電気を消すと
食べ歩き電気を消すと、小さな小さな青白い光が、灯った。 消えゆくような弱々しい光だが、命の存在を歌う自由がある。 さっと茹で上げ、小鉢に入れた。 熱々の身体……
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14皿の料理に、富山の春が満ちていた
食べ歩きサクラマス、蕪、ホタルイカ、ズワイガニ、富山葱、牡蠣、菜の花、銀杏、熊、コンカイワシ、ゲンゲ、黄かぶら、ブルーベリー、アスパラ、フキノトウ、猪、百合根、オコゼ、……
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大阪千里山「柏屋嘉翆庵」
とてつもなく危険
食べ歩きホタルイカの精が、舌の上でのたうち回っている。 茹でたホタルイカから、目と足と墨袋(なんという仕事)を取り、ミルでまわして作ったペーストを、そばそうめんにから……
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「料理の説明が爽やか」
食べ歩き「料理の説明が爽やか」。 同席者が言った。 須本シェフの料理の説明には、「どうだすごいだろう」という見栄がない。 実際は、「どうだすごいだろう」食材が使わ……
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「海老フリャー」
食べ歩き「海老フリャー」と記された一皿は、伊勢海老のフライだった。 焦げ茶の衣は、活きた甘えびを焼いて砕き、1週間干したものである。 手前は、伊勢エビの味噌だけで作……
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惚れてもいいんだよ
食べ歩き「わたしに惚れてもいいんだよ」。 伊勢海老が囁いた。 目の前でさばかれた伊勢海老の胴体は、湯葉で巻かれて揚げられ、伊勢海老の味噌は、吉野葛でとじられて餡……
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「イノダコーヒ」の海老ピラフ <京都の平生>21
食べ歩き「イノダコーヒ」の海老ピラフは、ケチャップが甘えていない。 よく焼かれたケチャップは、角が磨かれ、おそらくほんの少しトマトソースも加えられているため、舌にふん……
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勝ちエビシスターズ
食べ歩き , 日記勝ちエビシスターズ。 手前の方、よく笑うしげ子さん86歳。右側の方ちょっとシャイなトミ子さん88歳。 若い。よく笑い、よく働く。 それも毎日勝ちエビを食べ……
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その一切れを
食べ歩きその一切れを、口に含んだ瞬間、海の中にいた。 オマールが凝縮して、舌の上でうごめいている。 他の味は一切ない。 オマールは純を極め、自らの味だけを、丸く優……
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