割烹
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静かな喜びが漂っていた
食べ歩き静かな喜びが漂っていた。 地の香りが、弾けていた。 素麺と同じ寸に切られたアスパラは、歯の間で青い香りを滲ませ、わらびはそっと山の冷気を連れてくる。 杜氏……
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「お造りは、めじまぐろとさよりをいただけますか」
食べ歩き「お造りは、めじまぐろとさよりをいただけますか」。 「はい」。 銀蔵さんは、いつものように魚を取り出し、刺身を造る。 分厚いサヨリにサクリと歯が入り、めじ……
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唯一無二の割烹
食べ歩き24回、驚きの声を上げ、24回、充足のため息を漏らした。 世界のどこにもない。唯一無二の割烹である。 その24皿は、すべてが初めて出会う料理である。 ……
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太刀魚は焼かないと甘みが出ない
食べ歩き「太刀魚は焼かないと甘みが出ない。しかし焼きすぎるとぱさぱさになってしまう。そこを一工夫しています」。そう神田さんはおっしゃった。 太刀魚の下に太刀魚の子や……
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桜の季節が来ると思い出す人がいる。<隠れ家紀行>
隠れ家桜の季節が近づくと、思い出す店がある。 最後に訪れたのは、頬に当たる風が冷たくなった晩秋だったろうか。 連れは、飲み会で知り合った、年下の小柄な女性であった。……
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懐石 大原
食べ歩き , 寄稿記事「世の中でつまらないものは、書家の書と、料理屋の料理だ」。 北大路魯山人が語っていた言葉である。そこには、はしりを使い、技巧に走りすぎては、面白くない、ま……
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出町柳「御所雲月」のお昼ご飯。 <京都の平生>18
食べ歩き柳鰈の身は、ほんわりと甘く、皮はパリッと香ばしい。 ひろうすの有馬煮、蕗と椎茸、百合根の白和え、麩と菜の花の酢みそかけ、温泉玉子の胡麻ソース。細切り人参と筍の……
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還暦の祝い
食べ歩き還暦の祝いで、湯木さんが「かぶと焼き」を用意してくださった。 まだ大海の中で、生きていかんとしているような気配を残した、見事な火の通しでで、鯛は舌の上で爆ぜ……
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甘鯛
食べ歩き「今日はいいアマダイがはいりました」。 そう言って森川さんは、堂々たる体躯の甘鯛をまな板にのせた。 一塩されて運ばれた甘鯛は、自らの体を誇るかのように輝……
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豆三題3
食べ歩き豆三題3 「うすい豆の煮びたし」を上手にできることこそが、いい料理人の証だと、昔上野修三さんがおっしゃっていた。 豆が煮られていることに気づいていない。……
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