10・11「マルティンベラサテギ」

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10・11「マルティンベラサテギ」
アラカルトも悩んだが、25周年記念のテシスティングメニューを選ぶ。
料理13皿、デザート3皿という長丁場ながら、全く飽くことなく、どんどんお腹が空いていく。ワインも進む。これぞ三つ星である。
2018 Gilda with “Agrucapers”caper soup &”Balfago”tuna tarutarue
バスク地方を代表するピンチョス“ヒルダ”、アンチョビとギンディージャ(青唐辛子のピクルス)、オリーブの串刺しを、スプーン上に表現した料理と、マグロのタルタルケイパーのソース。ヒルダの見事なバランスに唸り、質の高いマグロ赤身の爽やかな香りとケイパーの酸味が、寿司のように合う。
1995 Mille-feuille of smoked eel,foie-gras spring onions &green apple
有名なスペシャリテ。燻製の香り、うなぎの白身魚的淡い甘みと、フォアグラの香りと脂のコクが出会う濃密さを、そしてシャキッとした軽快な歯ざわりと爽やかな酸味で青リンゴが味を引いてバランスをとる見事さ。小さな一つのミルフューユの中に精巧に計算された均整美がある。白いソースはは玉ねぎのソース。
2018 cod jelly with asparagas pickied with “Afiana”salt&its cream
鱈のフォンのジェリーと白アスパラガスのムース、白アスパラガスのピクルス、キャビア。鱈のフォンの旨味、ムースの優しい甘み、ピクルスの酸味、キャビアの塩気が、丸く、美しく抱き合い共鳴する。それぞれの量が適切に計算されている。
それでいて難しさは微塵もなく、一口食べた瞬間に心が溶けるエレガントさがある。
2018 oyster with green olive juice,wasabi emulsion &crunchy sea lettuce
ごく軽く火を通した牡蠣、わさびの刺激、緑オリーブのゼラチンの香り、真珠状に固められた牡蠣のエキス。牡蠣の質が最上で、そのミルキーな旨味をわさびが引き締めオリーブが軽やかにする。酸味がやはり忍ばせてある。どの皿も酸味の使い方が心憎い。
2001 Vegetable hearts salad with seafood cream of lettuce & idized juice
ベラサテギを三つ星にしたとも言われるスペシャリテ。六年前に食べたが、さらに深く、味の変化の複雑さを増して美味しい。タイムが効果的に香り、時々弾むヘーゼルナッツの香りと食感など、平坦なようで隠し所が多くある。トマト水のジェリーの上には、トマトとアボカド、レタスのクリームがすこしずつあり、それが次第にトマト水と混じり溶け合い味と香りを変化させていく。その時間が素敵。堂々たる三つ星のミックスサラダである。
2017 Tarama with beetroot &sour horseradish
タラモサラダ(真ん中の白い棒)、ビーツ、ビーツの泡、ホースラディシュ(白い玉)。タラモサラダはバカラオとじゃがいもを合わせたもの。ビーツの酸味が生きる。皿によって、微妙な酸味の強弱があり楽しい。
2018 Langoustine over an aniseed sea-bed &coral mayonnaise
本日一つ目のクライマックス。FB参照
2018 Seafood & seeweed trembie.Plankton,& prawn consommé
ウニとバジルのフラン。クラビネロ(エビ)のコンソメ、プラクトン、海藻、エビ。海苔と米の煎餅。エビの後にエビ? と思ったが、淡い海の青さを表現したもので、わざと味的に引いて、さらにつ後の料理へと向かわせる作戦かもしれない。
2018 Basil & coral gazpacho with diced &cured rockfish & horseradish
最も新しい作品です。と持ってきた、バジルが香るガスパチョ。下にウニ。上にはメバル。カブで作ったという豆腐。すべての食材に意味がある。役目がある。
2018 Grilled piece of monkfish with its stewed juice,roast diced fennel &clunchy squid
2回目のクライマックス。アンコウに薄く薄く切ったエビを巻きつけて薪火焼きにしてある。何よりもアンコウの中心までしっかりと火が入って、旨味が十二分に引き出されている点が素晴らしい。泡もソースも“スッケ”と呼ばれるカタルーニャの魚介スープ。カタルーニャ版スープドポワソン。しかし旨味はそのままに、フェンネルの香りが巧みに効いて、あの雑駁さが消えて実に上品な、色香を伴った味わいになっている。コブミカン的香りもある。
2015 “the truffle” with fermented wild mushrooms & collard greens with <Alma de jerez >oil
有名なスペシャリテ。偽物トリュフ。子羊の肝と発酵させたマッシュルーム、泡の下にはピリッと辛いキャベツ。このキャベツが効果的。
2018 Tender young pigeon,stuffed with olives foie-gras,charcoal roasted with pil-pil kohlrabi &carots, cocoa & potato cappuciano
小鳩の薪火焼き。ベーコンで巻いてオリーブとフォアグラを詰めた小鳩の取り合わせ。
ローズマリーとオレンジのピルピル。柿、人参。グラスの中は、じゃが芋とイベリコハムのムースとカカオとトリュフのムースが二層になっている、陶然となるような、小鳩のキュイソンも見事で、唸るほど美味しい。生命力を感じさせる。さらには、人参んかけられた、ローズマリーとオレンジのピルピルの
素晴らしいこと。小さな付け合わせ一つで感動するのはそんなにあることではない。

DESSERTS
2017 Lemon with basil juices green bean & almond
ホワイトチョコレートで作ったレモン。ジンのグラニテ、インゲン、アーモンドクリーム、レモンの皮のアイス。バジルのスープ。要素は多いのに、繋がっている。次第にベテランバーテンダーが作ったカクテルのように境界線がなくなり、あらたな 魅惑的な天体が出現する。
2018 chocolate, coffee & tea with crunchy quinoa
スパイスの木をかたどった中にコーヒークリーム、キノワ、紅茶とシナモンクリームの白しソース。ホワイトラムのグラニテ、スパイス効いた人参のビスコッチョ、スリーズのコンフィ。様々な甘み、苦味、香り、酸味、食感が織り成す夢。

our chocolates 2018: Yuzu salt&pepper Vanilla Tahiti;Orenge & caramel