冬と春が出会うとき。

食べ歩き ,

「冬と春の食材が出会う今は楽しいです」。
高良シェフはそういって目を輝かせた。
類稀なる才と、正確無比で愛のあるキュイソン、膨大な知見と技術力。
この人の料理が昼といえど7千円でいただけるのは、東京の奇跡である。
★人参のムースと雲丹、コンソメの泡。
五十嵐シェフへのオマージュだろうか。三者の量のバランスが、なんとも美しく、ときめかせる。
★ホワイトアスパラガスとラングスティーヌのポワレのコンポジション
「日本のホワイトアスパラは甘いですが、香りがおとなしいのでソテにしました」。微かにカレー香をまとったアスパラがシャキッと弾けて、甘いエキスをほとばしらせる。
丸めてポワレにすることによって、最適なミキュイとなったラングスティーヌが、品のある健気な甘さを溢れ落とす。
里の甘みと海の甘み、互いに儚さを秘めて抱き合い、消えていく。
★リードヴォーのムーニエールと鹿児島県産若筍のマデラソース
ああ、なんとうまいのだろう。
周りをカリッと焼き、芯まで完璧に火を入れた熱々のリードヴォーに、撃ち抜かれた。
褐変した表面の香ばしさが心を焦らし、いやらしい中のうま味が追いかける。
そこには、大人にならんとする勢いと子供でいる拙さが共存した、危うさがあって、たまらなく痺れさせる。
そこへ同じような拙い香りを持つ若筍が、春の香りをたなびかせる。
★長崎産クエのヴァプール シャントレール茸の香るソース FB参照
★和牛ほほ肉のコンフィのタイム風味と呼称香る赤ワインソース。
ほほ肉を生かすのは、煮込みよりこれである。
噛み締めると滲み出す、コラーゲンの優しい甘みに恋をする。
★いちごのカクテルとハチミツのアイス
大人の苺ミルク。