幸福な家庭

幸福な家庭(ちなみに私ではありません)
ひどい二日酔いで目覚めた。
昨晩は仕事の打ち上げでドンチャン騒ぎをやり、その後友人と飲みすぎたようで記憶がない。
目をやっとあけると、サイドテーブルに水と二日酔いの薬がおいてある。
ベッドの横には服がきちんとアイロンがけされていた。部屋を見回すとチリひとつなく、きれいだ。
薬を飲んで、テーブルの上のメモに気がついた。
「あなた、朝食は食卓の上よ。ちょっと買い物に出かけてきます。愛してるわ」
台所にいくと、温かいの朝食と新聞がおいてある。
息子が食べていたので尋ねてみた。
「昨晩、何があった?」
「ママは遅くまでパパの帰りを待っていたんだ。パパは午前3時ごろ帰ってきた。へべれけに酔っ払ってて、家具におしっこをして、廊下でもどしてたよ」
不思議に思って尋ねた。
「そうか、ママを怒らせることばかりしたんだ。でもなぜ、すべてがきちんときれいになっていて、ちゃんと朝食があって、『愛してる』なんてメモがあるんだろう?」
息子は答えた。
「ママがパパを寝室にひきずっていき、ズボンを脱がせようとしたときパパは言ったんだ。
 『おいネエちゃん!ボクに構わないで。ボク結婚してるんだ』って」