元「mondo」宮木シェフが心機一転、新店に作り替え6月に開店。
店名は「私たち」という意味で、料理長が君臨せず、全ての料理人が主役になるという思いからつけられた。
アペリティーボは、実山椒練り込んだ細いグリッシーニ。
ペコリーノチーズサブレと空豆のムース。
ザワークラウトを詰めた揚げパンなど。
「黒むつの炙りとキウィフルーツ」何より黒むつの質が素晴らしい。
身がダレておらず、脂もきれいで。脂というよりうまみが余韻として残る。
ソース的液体は、野菜くずを抽出したスープに、糠漬けとトマトのエキス。
「サザエとジェットファームのグリーンアスパラ、自家製の白カビチーズ」。
熱々のサザエを、軍手をはめて食べる楽しさが用意されている。
少し発酵させたアスパラが、サザエに色気を与える。
合間に、庭の梅酵母とホエーで焼いたパン、相模湾の海水と九品仏の豆腐屋の豆乳とクリームが出され、「高橋農園の野菜と滋黒シャモ」。
近隣にある農園の朝取れ野菜だという。
軍鶏は丹沢、ベッキオサンベーリで風味をつけ、パネッレと自家製リコッタチーズ、トマトの酸味、胡桃の風味が加わる。
一見軍鶏料理のようだが主役は野菜。
野菜の生命力が噛むごとに口の中に溢れ出す。
「カンパチのコトレッタ、ヒラマサの慣れ鮨を加えたソース、白ワインとマスタード」。カンパチのカツだが、衣で閉じ込めた、繊細で艶のある味わいに酔う。
続いて若い吉井シェフが30分かけて伸して切った「タリアッテレインブロード」.
蛤の出汁と自家製タリアッテレを合わせた、パスタ料理。、口にすれば、噛む間もないほどに、瞬く間に消える極上のパスタである。
肉料理は、「鹿と梅干のリゾット 柘榴の泡」自家製鹿醤油の搾りかすとソーセージも加わり、複雑味がありながら穏やかでいて血力強いリゾットに恋をするは必至。
最後は「クエのシュトゥーデルと自家製ゴルゴンゾーラ」
クエのマッチョではないエレガントさがある。
ドルチェも工夫があって斬新唯一無二、新たな価値観を得られる/