2024年初の無茶振りマッキー会が開かれた。
今回は奥野シェフの新店「DepTH Brianza」である。
お題は、「七草がゆ お雑煮 カリフラワーと白身魚のグラタン 白菜とパンチェッタのクリーム煮 黒キャベツのアーリオオーリオ スッポンのリゾット 一口ヒレカツ」という、イタリア料理店とは思えぬ無茶ぶりである。
だが、旬の食材や仕入れ値段も考慮し、少しだけイタリア料理の要素も入れているのよ。
今回は、カーボエネロのいいのが入らなかったということで割愛されたが、それ以外はすべて料理となって楽しませてくれた。
いつも思うのは、いい意味での裏切りがあることである。
つまり我々の想像や期待より上回り、もしくはまったく想像しなかった展開で料理が作られることである。
座ると、厨房との境にはパンチェッタが置かれていた。
愛農ナチュラルポークのパンチェッタだという、
これが白菜と炊かれてくるのか。
そう想像するだけで、唾が出る。
ああ、なんて奥深く優しいのだろう。
白菜の芯部分の甘い部分だけを使い、パンチェッタと炊合せ、さらには白菜のザワークラウトも加えている。
優しい味を持つ愛農のパンチェッタと白菜の穏やかな甘味が溶け合う。
そこにそっと軽い酸味が加わる。
「すいません。これ皿いっぱいお代わりください」。
心からの嘆願だったが
「マッキーさん、それ一皿目です」というシェフの言葉に沈んだ。
その後、「氷見のブリ」、「白子のフランとかなわ水産の牡蠣、 ポルチーニのピュレと昆布オイル」。「和歌山のクエとブレサオラ」、「りんごとギルゴンゾーラのパンケーキ」、そしてお題の「すっぽん七草粥と一口カツ」が出される、
カツは中身を言ってなかったので、なんとあんこうがカツにされていた。
その凛々しさに驚く。
さらに「ヒラメのサバイヨンソース」、「晩白柚とエストラゴン、グリーンカルダモンのグラニテ」、「白湯らーめん雑煮」と続く。
今回全てを食べて思ったのは、今までより精度と鮮度が上がっていたことだった。
ちなみに鮮度とは食材の鮮度のことではない。
料理の鮮度のことである。
今までと違い、常にお客さんの反応を見ながら作り、さらには料理がソースも含めて、アラミニッツで作られるからである。
これがやりたかったことか。
次は僕とリップルさんの誕生月だから、もっと無茶ぶりだよ。
すべての料理はタベアルキストくらぶにて。