ただのゆで卵がなぜここまでおいしいのだろう。

食べ歩き ,

ただのゆで卵がなぜここまでおいしいのだろう。
トマトの甘みが玉子を包み込んで、食べた瞬間に大笑いしたくなる愉快がある。
きっと、トマトをどこまで煮詰めれば正しいのか、そこに何時間卵を漬け込めばいいのか、明らかな確信がそうさせているに違いない。
ジャガイモとトリッパのローズマリー煮込みにしてもそうだ。
煮崩れたジャガイモの甘みが、トリッパの食感と抱き合って、トリッパを甘美に感じさせる。
これもまた、食べた瞬間に笑い合い、白ワインをグビグビと飲ませるのである。
水ダコの足と吸盤、セロリのサラダは、が精妙で、やや淡いかなというギリギリの線で振られていて、それがよく噛ませて、蛸足のうま味やセロリの香気を生き生きと口の中に放つのである。
一方ヤリイカの網焼きは、大胆に塩が振られていて、ヤリイカを凛々しく変身させて、冷えた白ワインをすかさず飲んでは、「これが人生だ」と叫ばせるのであった。
さらには香菜とルッコラ、胡桃とマッシュルームの出会いの素晴らしさにやられ、自家製サルシッチャとパプリカオーブン焼きの肉肉しさに酔う。
さあ後は、パスタの時間だよ!
ナスの甘みとリコッタの優しさが溶け合う暖かさに、“ノルマ風”ナスとリコッタサラータ タリオリーニトマトソースに心を抱きしめられ、
和牛のカメノコのラグー、フジッリ マルサラ風味の豊かな味わいに、拳を突き上げながら赤ワインをがぶ飲みす。
そして最後は、阿部ちゃんが周到に用意した食後酒のオンパレード。
俺は宵越しの肝臓は持たない。酔っ払いでか!
ありふれた食材から奇跡を起こす食堂 ロッツォシチリアにて。
Uova Al Pomodoro
Trippa e Patate
Insalata di Pollo
Calamari Alla Griglia
Insalata Erbe
Salsciccia e Peperone
Taglioni alla Norma
Fusilli Ragu