墨痕鮮やかに「みかわ」と書かれた白のれんの前に立つと、ごま油の香りが漂ってきた。
ガラリと引き戸を開ければ、鍵の字型のカウンターは満席で、皆幸せそうに天ぷらを食べている。
揚げ場に立つご主人は、色白に端正な顔立ちで、背筋を伸ばし、鍋に気を集中させながら天ぷらをあげている。
その細くとがった眉毛尻といい、振る舞いといい、若い歌舞伎役者のようである。
仕事が綺麗である。
一切の動作に無駄がなく、常に汚れなきよう整理し、拭き清め、片付けている。
お座敷もあるようで、若い子に天ぷらの乗った皿を渡すのだが、「秋田のムラサキウニを大葉で挟んで揚げてあります。塩でどうぞ」と、お客様に出すのと同じ口調で伝えるのが、みていて気持ちが良かった。
みかわで修行し、秋田の天ぷらで修行し、独立したのだという。
衣が軽やかだが、コクがある。
魚や野菜を見極め、ギリギリまで火を入れて揚げている
その辺りはみかわの哲学を守っているが、様々な新しい仕事もしている。
今日は中でも、アスパラとキスが良かった。
「みかわ秋田」の全仕事は以下で。
男鹿半島でとれた甘エビ黄身醤油
サザエとワカメの醤油煮
じゅんさい酢の物
エビ
紫蘇巻きエビ軽い揚げ
頭
エビミソ つまみ
秋田のキス 頭は塩、尻尾に近いとこは天つゆ
天王の 漁港スミイカ
秋田そら豆 そら豆の最高の食べ方は天ぷら
優しく甘い。、ゾッとする甘さが出る。
秋田久方甘鯛 品とたくましさ。天つゆ少しと塩かけて
いぶりがっこ つまみ
秋田の紫ウニ 紫蘇巻き
ホタテ 色気をほのかに漂わす甘み。塩を断面に両方振り、時間差の違いを楽しむ。後の方がまろやか
アスパラ 穂先塩 根本よく揚げ後から 天つゆスプーンでかける塩少し
アワビ 塩
追加
おくらつゆと塩
ナス
レンコン茨城繊維質強い
穴子 揚げている もっとでもいい。
秋田椎茸 醤油塗って、水分抜けきって香りと繊維と旨味凝縮
秋田ナス 熱々 断面を上にして上からつゆかける
フグ
かき揚げとご飯