芋煮とだし蕎麦。

食べ歩き ,

芭蕉ゆかりの地山寺にやってきた。
ただし山寺へ参拝するためでも,1015段という石段を登るためでも,日本最古のブナ建築を見るためではない。
芋煮を食べるためである。
駅に降りると,様々な国の人がいる。
彼らにとって、険しい岩山の頂きに建つ景勝は、マチュピチュのようなものなのだろうか(いささか大袈裟)。
だが,ナショナルジオグラフィックで、2026年行くべき世界の旅行先25選に山形県が選ばれたのだから、当然かもしれない。
さて「芋煮セット」1200円は,以下のラインナップである。
芋煮、揚げ麩の煮付け、玉蒟蒻ミニ、刺身こんにゃく、胡桃豆腐、たくわん、舞茸ご飯であった。
「ご飯を半分にして」と、頼むと,おばちゃんは「はい半分ね。その代わり刺身こんにゃく一枚増やしておいたから」と、出してくれた。
やはり甘辛い芋煮がおいしい。
ご飯をレンゲに入れてから,芋煮の汁を少し入れると一層良かった。
それにしても、インド人男性二人組が、牛肉が入った芋煮を、おいしそうに食べている光景は、シュールであった。
ご飯半分にしたのは理由がある。
「だし蕎麦」を食べるためであった。
「だし」は、ご存知山形の夏を代表する郷土料理で、胡瓜,ナス、茗荷、オクラ、紫蘇といった夏野菜と、納豆昆布、生姜、黄菊をこまかくきざみ,合わせおいたものである。
これはいい。
ズルルと手繰るそばの食感に,野菜のみずみずしい歯切れが加わって,楽しいことこの上ない。
ただし、だしはそばに絡まないので,こうして食べたい。
そばをたぐってから一噛みしたあたりで,レンゲで掬っただしを口に放り込む。
完璧である。
だしを口の中に入れてからそばをたぐるのも同じようだが,まったく違う。だし後追いかけがおすすめである。
ちなみに、練りわさびは、だしと合わないので,溶かさないこと。
山形山寺「えんどう」と「美登屋」にて。