Tuesday, June 15th 2021 SÉZANNE
今年出会った最もエキサイティングなレストランかもしれない。
「成功のカギは、一貫性です。誰もが一度は、素晴らしい料理をつくることができると思います。ただ、成功とは、その素晴らしい料理を何度となく再現しながらも、その一皿一皿をさらに優れたものにするための努力を続けることで達成できるものだと考えます」
いかにも精緻で一ミリの妥協も許さないという顔つきをしてらっしゃるダニエル・カルバートシェフの言葉である。
アランデュカスも絶賛する、フランスの若きスーパースターが日本で料理を作る。
これは事件である。
食べればわかろう。
日本の食材の深い部分を理解しながら、日本人には気付いていなかった部分に光を当てる。
日本人の表現とは違うやり方で、食材にエレガントを吹き込む。
これから楽しみなレストランである。
夜のコースより。
★”RADIS BEURRE” “
ラディブール フランス人が大好きなラディッシュとバターを少しモダン
★48 MONTH AGED COMTÉ CHEESE GOUGÈRE
48月熟成コンテチーズのグジェール 軽やかさの中に深いコク
★PRESERVED BLACK TRUFFLE WITH CHAMPAGNE CREAM
プリザーブド黒トリュフシャンパンクリーム
調和がなんとも美しい。ラルド、パルミジャーノ、フルーツソースなどそれぞれの量が適切で、多くの要素がありながら、前菜としての軽やかさがあり、押し出しが強すぎない。繊細。
★OKINAWA CORN SOURDOUGH WITH NORMANDY BUTTER
沖繩県産とうもろこしのサワードウノルマンディーバター
加水率の高さを感じさせるもっちりとしたクラムとカリカリのクラスト
★”TSAR IMPERIAL” OSSETRA CAVIAR WITH AVOCADO AND SUDACHI
ツァーインペリアル オシェトラキャビア アボカドと酢橘
これまたバランスがいい。アボカドのコクと酢橘の酸味がキャビアを優美に持ち上げている。酢橘の意味を理解している。
★WHITE ASPARAGUS SOUP WITH SHIRO EBI AND PIEDMONT HAZELNUTS
ホワイトアスパラガススープ白エビピエモンテ産ヘーゼルナッツ
白と白、アスパラガスのコンポートと白エビ。白エビのほのかな甘い香りが白アスパラのミネラル感と抱き合う。柔らかな抱擁に当然となる。ナッツ香の微かなアクセント。
★SABA “ESCABECHE” WITH HAMAGURI
エスカベシュ 鯖と鯛、はまぐりのエスカベッシュ
鯖が垢抜けて美しく輝いているb。
★ELEZO FARM’S SHAMO, POACHED IN YELLOW WINE,
STUFFED WITH GIROLLE MUSHROOMS
エレゾファーム軍鶏のポシェ ヴァン・ジョーヌ杏茸
ああなんとも素晴らしい。しっとりとシャモの優しさが噛んだ瞬間に滲み出る。そのしとやかな旨味にヴァン・ジョーヌの酸味と紹興酒の旨味がそっと絡み、色香を灯す。シャンピニオンデュクセル
チキンコンソメと紹興酒 ヴァンジョーヌのソース
エキゾチックでもある
★CÉVENNES ONION AND IBERICO HAM RAVIOLI
セヴェンスオニオンとイベリコハムラビオリ
凝縮感があり。
★SHIRANUKA VENISON WITH AKITA BLACKCURRANT SAUCE
白糠鹿肉 秋田県産クロスグリソース
グリンピース 鳥のレバーバテ ナッツ ブルーベリー。削り胡桃!
余計なものが一切ない。ベリーとの合わせが王道ながら、そこにゴマ香のアクセント。オリエンタルをうまく取り入れている。日本人には気づかなかった、外国人がとらえた食材の別な面。
★KYOHO GRAPES WITH BASIL AND CHAMPAGNE
巨峰バジルとシャンパン
★MIYAZAKI MANGO WITH SHORTBREAD “CRÈME CHANTILLY”
宮崎県産マンゴーショートブレッドクレームシャンティ
これまた素晴らしい、中からメレンゲやアイス、切った果肉。
★MIGNARDISES
ミニャルディー