割烹
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春の息吹は、丸く、萌芽への力に満ちて、心の背筋を伸ばす。
食べ歩き翡翠色の珠玉が、淡茶色の湖の中で、静かに時を待つ。 一粒を箸でつかみ、口の中に放り込む。 しわ一つない豆は、歯と歯の間でささやかな抵抗を見せながら、すうっと……
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目の前に置かれた瞬間
食べ歩き目の前に置かれた瞬間、深山にいた。 細かく細かくされてご飯にまぶされた葉から、記憶にある香りが立ち上る。 だが脳は、その記憶を否定した。 あまりにも……
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そこにあるのは静寂である
食べ歩きふっこは、大人にならんとする勢いを抱えながら、その淡い甘みを舌に落とす。 木の芽酢の酸味と香りが、その滋味を優しく持ち上げる。 そこにあるのは静寂である。 ……
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脂がのり過ぎたハモはあかん。
食べ歩き「梅雨の水を飲んでハモはうまくなる」。 鱧の旬は一般的にはそういわれて、7〜8月に出される。 脂がのっているからである。 最近では脂ののりがいいと……
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料理の美味しさは経験値が決める
食べ歩き料理が美味しいかまずいかは、主観的な問題であり、個人差であり、各人の嗜好の差であるという。 確かにそうである。 しかし一方で、それは経験値というものを勘案し……
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僕が京都で「浜作」しか行かなくなってしまったのは
食べ歩き僕が京都で「浜作」しか行かなくなってしまったのは、日本人の精神を守っていくという強い意思を感じるからである。 営々と紡がれてきた先人たちの知恵、日本の食材を生……
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神戸「紀茂登」
日記神戸「紀茂登」 蒸し鮑とスッポンゼリー、振り柚子 ワタリガニスープで炊いたご飯。内子酒漬け、キャビア オコゼクズ叩き 椀 蒸し筍 蒸して……
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昨夜は大阪ホッピング
食べ歩き昨夜は大阪ホッピング。 新梅田食道街の森清のお母さんに会って、毎日毎日感謝ですわの言葉をいただきながら、いもサラダや鳥肝煮、若ごぼう煮、コンニャク煮などでハー……
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クリッ、クリッ
食べ歩きクリッ、クリッ。 そいつは手ごわかった。 白き肉が、歯と歯の間で爆ぜる。 硬いのではない。柔らかいのでもない。脂なき筋肉の勇壮が歯に食い込みながら砕……
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美味しさを、言葉にすればウソになる。
食べ歩きその美味しさを、言葉にすればするほどウソになる。そう思う瞬間がある。 鳥取「かに吉」の蟹が、その時だった。 蟹ミソに始まり、おつくり、湯引き、殻を焦がさ……
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