茶碗は唇に吸いつき、一つになった。

• 佐賀,
• 器　調理器具

ほたっ。 茶碗は唇に吸いつき、一つになった。 美しい曲線が唇の曲線と同化し、抱き合う。 茶を飲もうとしたその瞬間に、体と一つになり、心と一つになる。 ……

年明けに居酒屋をめぐる

• 東京,
• 居酒屋,
• 魚卵　白子,
• 豆

年明けに居酒屋をめぐる。 その楽しみの一つに、この時期だけの「おせち」がある。 おせちやその残りを使った料理が、品書きに登場するのである。 散々おせちを食……

子豚は気持ちよく滑空している

• 東京,
• 豚,
• スペイン料理

子豚は、食いしん坊のテーブルの上を気持ちよく滑空しながら言う。 「早く食べて。おいしいよ」。 お顔とご対面し、失礼とは思いつつも、お尻からも眺めさせてい……

おでん　燗酒　江戸の味。　　「丸太ごうし」にて。

• 東京,
• おでん

門上様、おでんの季節ですね。僕はこの時期になると、おでんのことばかり考えています。 おでんは、江戸末期に江戸で生まれ、大正時代に「関東炊き」と呼ばれて関西……

明治の灯びが消えた

• 東京,
• おでん

関東が鰹節で関西が昆布となった食文化の理由もこちらのご主人に教わりました。昆布は北海道、鰹節は九州が原産地で、流通が儲けるには遠い地域が適しているという理由で ……

長崎でのダンシング・スターズ

• 長崎

長崎でのダンシング・スターズ

その店は路地にひっそりと佇んでいた。

• 東京,
• 安くて旨い。B級　大衆食、1999円までの味,
• 焼肉

その店は、路地にひっそりと佇んでいた。 四角いガス台、スリットが開いた鉄板という昔ながらのスタイルながら、肉の厚さも大きさもほぼ同寸で、誰が焼こうが焼きムラが……

街の中華としての格

• 米,
• 炒飯,
• 東京,
• 中国料理,
• 野菜,
• 揚げ物,
• 餃子,
• 焼きそば

赤坂「珉珉」は、街の中華としての格を守っている。 気取らず、庶民的な値段で提供し、料理は素早く運ばれ、こだわりなどという野暮な言葉は使わず、丁寧な仕事を自慢も……

ジェノヴェーゼはスパゲッティではなく

• 東京,
• イタリア料理,
• パスタ

「ジェノヴェーゼはスパゲッティではなくて、こっちのほうが合うと思うんです」。 湧き立つ青々しい香りに包まれるジェノヴェーゼは、わざと固く茹でたトロフィエで和え……

白子が、誇らしげに鎮座している。

• 東京,
• 割烹,
• しる汁物

蓋を取った瞬間、白味噌の丸い香りが頬を撫でた。 白子が、誇らしげに鎮座している。 汁を一口。 「ふうっ」。 安寧がカラダの底へ、降りていく。 続いて白……