金沢「片折」3/23
★新湊のいわしと肝のソース
せんな(葉わさび)、根三ツ葉、つくし。
脂がのった鰯の力、肝の綺麗さ
黒帯(金沢)
★蟹のお椀
おそらくカニの片足分くらいを少量の卵白だけで球場にまとめた椀種である。
カニの風味が活きるよう、おつゆは昆布カツオにお酒だけで、薄口も塩も入れていない。
そのシンプルさゆえ、お汁は普段より熱々で出された。
飲むほどに、蟹の風味がじわじわとおつゆに滲み出し、幸せが増して行く。
★お造り・氷見のヒラメ
ここでいつもお造りを食べて思う。
甘みが濃いのだが、味が澄んでいる。
噛み込むうちにヒラメの旨味がどんどん膨らんで行くのだが、一方で湧き水を飲んでいるような、清涼感があるのである。
氷見の力なのだろうか。
綺麗な味 うまみがあるけど澄んでいる
★生このこの茶碗蒸し。
これはいけません。酒が進んでいけません
しかしこの口子も。みじんも嫌な香りがなく綺麗なのであった。
だからこそ卵の甘みや出汁とも馴染むのである
★干しわらびの白和え
ああ、しみじみと美味しい。
白和えの豆腐の静かな甘み、微かなワラビの渋みを山椒の香りと刺激。
これこそが、片折さんの真骨頂だろう。
★ふぐの白子雑炊
柔らかい味とは、この料理のことを言う。
白子のうまみが来て、後からご飯の甘み。
量のバランスがいい。
★茹でたてホタルイカと摘みたて菜の花
菜の花は、青々しいが澄んだ香りがあって、ホタルイカの純真と合う
お酢の加減が素晴らしい
肝がトゥルッと出てくる。身は17歳だが肝は28歳といったところだろうか。色気はあるがしつこくない。
★のどぐろ
鮮度の証で、口に含んだ瞬間にこぼれ落ちそうになるほど、汁が多い。
皮だけ剥がして食べると、その皮下にたっぷりと蓄えられたゼラチンの甘みが口の中を舞って、たまらない。
★能登の牛津のアワビ
なんてことだろう。
噛んだ瞬間に、自分とあわびが一緒に溶けていく。
獲れてすぐ炊くことが肝心なのだと言う。
そして炊くときは、貝殻も肝も一緒に炊いている。
甘い。
アワビのすべてがここに凝縮している。
ワカメの甘みを感じさせる。
★いわしのつみれ汁
イリコ出汁。
すべての割烹が、こんなものを出す勇気があってほしい
素朴さに秘めた贅沢である。
★かぶらとふきのとう味噌 昆布
★卵かけご飯
卵やコメに敬意を払った醤油の量。
卵とお米の蜜月を邪魔しない知性がある
★海ます
塩をするとマスの艶かしさがきえてしまう。
ご飯とマスが同じ位置にいる。
★作りたていちご大福
生暖かい意味 色気