豆部部長伊藤くん、今回は甘味の部活動報告です。
北海道にて、完全無農薬で作られている方の豆を頂きました。
その方は栽培している豆を「育てている」とは言わないそうです。
「豆なら、勝手に生えているから」と、言われるという。
そうして原始に戻った豆たちの力強さは、計り知れません。
田舎煮とは、醤油と生姜で煮たことですね。
上から少しだけたんぽぽの蜂蜜をかけ、同じキク科の干しぎくをあしらってあります。
甘さとしょっぱさ。
両端の味の取り合わせですね。
しかしどちらも豆がすごい、
甘さとしょっぱさを超えて、豆自体の香りが口いっぱいに広がっていくのです。
それらは、限りなく寛容で、どこまでもたくましく、人間の無力さを感じさせます。
今まで数多くの豆料理をいただきましたが、食べていて、自然に涙が滲んだのは初めてかもしれません。
それほどまでに、計り知れない大地の力が伝わり、感謝の心が浮かぶ料理なのでありました。