町中華という言葉がある。
最近はそれに加えて町すしという呼び名も目立つようになってきた。
ならばここは町イタリアンである。
「町」とつけたい店は、一般的な同業種より価格帯が安く、気軽な雰囲気が必須である。
だがそれより大切なことは、「町の人たちに愛されている」ことではないだろうか。
ここ「スポルカチョーネ」にはそれがある。
カウンターで食べていると一人の女性が覗いて言う。
「予約してないけど入れます?」
「ああ、◯◯さん、あとで◯◯ちゃん一家が来るから、とりあえずここ座っておいて」。
そんな光景を見ながらアンティパストミストを、フォークでなく手でつまんでたべていたら、シェフが様子を見に出て来た。
「手で食べてます」と言ったら、
「正解です」と笑う。
サービスの女性が追いかけていう。
「手で食べてもらって正解です。何しろこの店の店名は「食べ散らかす」という意味ですから」。
隣では女性が一人前菜をつまみに、ゆったりとワインを飲んでいる。
しばらくすると、小学五年生くらいの男の子が入ってきて、「ママお腹すいた」と、その一人前菜ワインの女性にいう(ママと息子の待ち合わせだったのね)
しばらくすると、メニューにはないパッケリが出てきた。
一人パッケリを猛然と食べる小学五年生。いい光景だなあ。
しばらくすると、◯◯ちゃん一家が来て、さっきの女性も合流し、賑やかにやっている。
その後小学三年生連れの親子三人が来て、入り口に立った。
シェフが厨房から出て来て「ごめんねいま満席なんだ」というと、父親が返す。
「いや、いま近くのお寿司屋さんで食べて来たので、これ差し入れ」という。
「ありがとうございます!」と、シェフ。
恥ずかしそうに差し出す、男の子の両手には、綺麗なちらし寿司が乗っていた。
★アンティバストミスト
★イタリア肉じゃが。ギアラとジャガイモの煮込み。サルサヴェルデをかければ、突然ランブレドットに。
★ハムカツ セージ入りが憎い。 チーズも、モルダレッラか・
★削りたて作りたてのジェノヴェーゼ、リングイネ
★サルシッチャとサフラン ちょっとトマトの自家製タリアッテレ。
★コトレッタアラミラネ=ゼ