紅焼春笋豬手辽參

食べ歩き ,

てれん。
豚足を持ち上げると、しなだれた。
「優しく食べてね」。
べっ甲色に輝く色艶が、耳元で囁く。
豚足を食べれば、舌の上にふわりと着地して、溶けていく。
甘いコラーゲンと甘辛い味付けが境目なく抱き合って、溶けていく。
「うう」。
思わず嗚咽を漏らした。
新筍は命の勢いを自慢しながらシャキシャキと弾け、ナマコは豚足とは違う、別のてろんで舌を誘惑する。
これは大至急ご飯である。
上海特有の、こってりとしていながらしつこくない甘辛みを、熱々ご飯が受け止める。
最後はご飯に乗せて、混ぜ、描き込んだ。
ふう。
この食べ方は実に正しい
1ヶ月に一回はこれを食べたいなあ。
「蟹王府」の「紅焼春笋豬手辽參」海鼠、春の筍と豚足の醤油煮込