日本橋 三越前「蟹王府」

盆菜

食べ歩き ,

「解説の山田さん。つ、ついに登場しました。「盆菜」です」。
「はいこれぞ横綱です。盆菜(プンチョイ)は、いわゆる中国のおせちですね。旧正月に家族が大勢集まった時に食べます」。
「ゴーカですね。何が入っているのですか?「
「伊勢海老、上海蟹、フカヒレ、アワビ、ナマコ、魚の浮き袋、ガチョウのもみじ、花椎茸・獅子頭、豚足、大根、広西州の里芋、蓮根、ブロッコリー、湯葉です」。
「なんと中国高級乾貨のオンパレードではないですか。スープは?」
「はい鶏のスープに、アワビの戻し汁やら何やら数種類を混ぜてあります」。
「それは濃厚そうですね。その濃厚な滋味が。干した食材や野菜に染み込んでいると思へばたまりません」
「真ん中に伊勢海老がどんと鎮座しその麓には上海蟹、そして手前には魚の浮袋、右手には突起が綺麗な最高級の干しナマコが見えます」。
「向正面の佐藤さん、そちらからは何が見えますか」。
「はいこちら向正面佐藤です。なんと手前には分厚いフカヒレがぎっしりと入っておりましてその下には、大きなガチョウのもみじ、脇には獅子頭や豚足が控え、そちらから見て左手には、アワビが6個以上並んでいます。いやあゴーカだ」。
「山田さん、これらの下に野菜などがあるのですね。これはおいくらなのでしょうか?」
「こちら「蟹王府」では8万円だそうです」。
「8万円! でも何人で食べられるのですか?」
「6〜8人でいけますね」。
「ちなみに6人なら一人一個のフカヒレとアワビを食べて、浮袋やナマコ数個、それにガチョウのモミジや肉類などを存分にお腹一杯食べられて、税込一人一万四千六百円なわけですから、安いですね」。
「はいこの店でそれらを食べようと思ったら、最低でも3ん万以上かかるわけですから、それが半額、安いですね」。
「では早速食べてみましょう」。
以下次号。