白アスパラガス到来。

食べ歩き ,

フランスから、イタリアから、ベルギーから、街に白アスパラガスがやってきた。そこで最近出会った三題。

乃木坂「フウ」
「白アスパラガスのブルーテ、手長海老添え」 白アスパラガスのブルーテ(ポタージュ状のスープ)に白アスパラガスの茹で汁を煮詰めたものあわ立ててふわりと載せ、周囲にトリュフオイルを一垂らし。中にはミルクでさっとゆがいた手長海老。
ブルーテに凝縮されたアスパラの甘み、茹で汁から強烈に立ち上がるアスパラの香り、その二つが交じり合って陶然となるころあいに、半生に火を通された海老のやさしい甘みが、妖艶にからんでくる。
食材をいったん分解し、様々な手法によって再び集結させ、食材の持ち味を極限まで引き出すフランス料理の手法に沿った、下村シェフの傑作。  閉店

青山「リストランテ・ダ・フィオーレ」 
「白アスパラガスと平目のアンチョビバターソース」(写真がうまく撮れてなくてすいませんシェフ) さっと茹でたアスパラガスに、絶妙な塩加減のアンチョビバターソースを合わせ、蒸した平目をあわせた一皿。
アンチョビの練れた塩気がアスパラの甘みを引き立て、バターのコクがうまみを膨らまし、平目が穏やかに共鳴する一皿。
食材にあまり手をかけず、強い味わいをぶつけることによって、食材の風味を盛り立てる、食材の力を信じたイタリア料理の手法に沿った、眞中シェフの快作。

銀座「バードランド」 
「白アスパラガス焼」写真なし
昨日届いたばかりの白アスパラガスをさっと焼き、無塩バターを塗って、ゲランドの塩をかけた一皿。
まるで表面はうっすらと焼きあがっているのに、生のアスパラをかじっているかのごとくみずみずしく、甘く、微塵もえぐみが無い。火を自在に扱う和田店主の技が光る逸品。