東京とんかつ会議25京橋「レストラン サカキ」もち豚のロースかつ1100円

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議24「レストラン サカキ」
京橋「レストラン サカキ」もち豚のロースかつ1100円
<肉3、衣3、油3、キャベツ3、ソース3、御飯2、新香(代わりにポテトサラダ)2、味噌汁(代わりにスープ)2、特記ブランマンジェ1 点(満点は23点)>

東京とんかつ会議、初の洋食屋である。今回は協議の上、通常お新香をポテトサラダに、味噌汁をスープに変え、評価させていただくこととなった。
ご存知「サカキ」は、昼は洋食店、夜はフラン料理を提供する店である。昼の人気は激しく、40席ほどある店内は常に満席で、行列もできている。ランチメニューは13種類ほどあるが、これほど混雑していても、さして待たすことがない。「もち豚のロースカツ」も、すぐにスープが運ばれ、スープを飲んでいると間もなく運ばれた。そして単に料理の提供が早いだけでない。これほど混雑し、多くの料理を次々と出していても、今までの経験では、仕上がりがぶれたことがないのである。
「もち豚ロースカツ」も上出来である。香ばしい茶色に揚がったカツに歯を入れると、サクッと衣が音を立て、ラードの甘い香りが鼻をくすぐる。これぞ食欲くすぐるカツの香りである。噛めば肉はきめ細かく、肉汁がジュッと染みだして、思わず顔が崩れる。肉端の脂も、きちんと火が通り、舌に残ることなく消えていく。油を感じさせない揚げ切りも見事で、衣はカツに密着し、皿側の衣も湿ることなく、最後までカリッとして香ばしい。
値段ゆえの薄い肉で、とんかつ屋のように厚い肉を、中心がロゼになるようにじっくり揚げるやり方ではないが、1100円の定食でこの肉の質は見事である。
カツはそのままでも十分おいしいが、香り高い、洋食屋らしいソースをかけて食べるのも楽しい。キャベツはほの甘く、その上にのった赤玉葱人参と共にみずみずしい。ご飯も上質。ポテトサラダはマヨネーズに頼り切らずに、ほんのり芋の香りがする。
スープは、キャベツ、ニンジン、ベーコン、ジャガイモによるミネストローネ風スープ。野菜の味に素直に、味を強くしてないところに、この店の誠実を感じる。
特記は、海老フライやメンチカツ、カレーなど、逸品が多くあるが、あえてカツを食べた後にという意味で、ブランマンジェを上げた。ギリギリの固さ、香り、濃密度、ソース共に、高いレベルにあるブランマンジェを、食後にぜひ。