ラ・テット・ダン・レ・ゾリーフ

食べ歩き ,

来週から東京と大阪のブノワで、ジェーム・パリと銘打った、特別料理会が行われる。
アラン・デュカスお気に入りの、パリの店200軒を紹介した「J‘AME PARI」より抜粋した4軒が、日本で料理フェアを来年1月まで行う。
ビストロあり、食材店あり、ブーランジェリーあり。
第一回は、パリのオリーブを中心とした食材店「ラ・テット・ダン・レ・ゾリーフ」。
テーブルの上には、オリーブが2種類置かれている。
浅漬けは、太陽を浴びて育った実の、溌剌としたうま味が舌を刺す。
いっぽう古漬けは、苦みや複雑味が滲み出て、いつまでも舌の上で転がしておきたい味わいである。
よほど厳選しているのだろう。いずれもめったに出会わぬ肉厚で、シチリア出身だという店主の、オリーブに対する深い愛情が伝わってきて嬉しくなる。
タラのブランタードのしみじみとしたうま味と半熟玉子が出会った味わいに、メロン香がし、コクが丸く深いオリーブ油“ビアンコリッナ”とオレガノを混ぜたソースの複雑香が、南の太陽をアクセントする。
ホロホロ鶏のコクとオリーブの酸味が共鳴するフリカッセには、香り高い乾燥バジルを使ったニョッキが添えられる。
最後はオリーブオイルのアイスにピーチメルバ、ベリーとオリーブオイルのソースがけ。
フレッシュ感を保つオリーブオイルの華やかな香りが、デセールを少し妖艶に演出する。
どの皿も、様々な食材を使いながらも、オリーブ及びオイルに敬意を払った料理で、食後には、最高品質のオリーブならではの雑味のないピュアが、深く刻まれる。
来週は店主も来日するというから、楽しみである。