荻窪「とんかつそら~空~」

東京とんかつ会議212荻窪「とんかつそら~空~」香り豚ロースとんかつ定食(

東京とんかつ会議212荻窪「とんかつそら~空~」香り豚ロースとんかつ定食(上)1800円
【肉3油3衣2ソース3キャベツ2ご飯2味噌汁3お新香2特記エビフライ計21点】
各項目3点特記1点総計25点満点
 
フランス料理出身だという若き店主の志高いとんかつ屋である。
豚は埼玉県加須市でSPFポーク育てる「香り豚」という品種を使っている。
その肉はきめ細かく、火の通し具合も的確で、肉汁や脂の甘みを存分に味わえる。
衣は糖度が少ない衣なのか、薄茶色にサクッと上げられて痛快だが、下面がかなり湿気ているので、揚げてからの寝かし時間などを再考されると、頼子のとんかつが生きると思われる。
油はラードと他の油との混合で、ほんのりと甘みが香るのが食欲をくすぐる。
脇役陣ではソースと豚汁が良かった。
ソースはくどくなく、香り高く甘さと辛さ、酸味との調和が取れていて、かつをそっと持ち上げる。普段はあまりかけないで食べるが、思わずかけてしまった。またとんかつの美味しさを引き立てるようにブレンドされたという塩もいい。
豚汁は、店主のお母さんが作ってくれた豚汁を再現したということで、関西の香りが味噌の香ばしさの中に溶け込んでいて、ほっこりとした美味しさを生んでいる。ただしこの味噌汁の出汁になっている豚肉の小さな塊もたくさん入っているのだが、この豚肉は役目を終えており、とんかつを引き立てるという意味合いからも無くした方が、定食としてのバランスは更に良くなるだろう。
おしんこは卓上から好きなだけ取れる、鰹節がきいた壺漬け沢庵だが、とんなkつの味を切るという意味ではもう一考必要だろう。
またとんかつは、背脂が厚くついているが、これを半分ほどにカットした方が肉とのバランスが良くなり、更に良きとんかつになるだろう。
エビフライは、白に近い薄茶の仕上がりで衣が軽く軽快な美味しさがある。またいぶりがっこ入りのタルタルも面白い。
最後に店主の心配りが素晴らしい。常連客への対応、飲む客への対応など、仕事しながら的確に見抜いて、温かい心配りを見せてくれる。
 
河田氏20点 山本氏18点