変態が行く1。

食べ歩き ,

変態である。
もう残りの人生,枝豆で驚くことはないと思っていた。
だが、最初に出された新潟の茶豆を、一つ食べて目を丸くした。
複雑な香りがあり,豆の味を濃くしている。
「ポンカンの皮を乾かし粉にして,少しまぶしました」と,主人は何気なく言う。
柿と梨のサラダが出された。
上にマイクロリーフが載っている。
「苦いオリーブオイルとシェリーヴィネガー を合わせました。果物の甘みと苦味と酸味を合わせたくて。あっ塩はしてません」。
降参。
次にジャガイモの上にハタハタが乗った、珍しい料理が出される。
「バカリャウの料理から考えて,ハタハタに塩をして時間を置き、茹でたじゃがいもと合わせ、ピーマンではなく,ビマン・デスブレッドと混ぜました」。
奥の小さな付け合わせは、ホエーから作った自家製リコッタだという。
完敗。
ここまで読んであなたは,どんなレストランを思い浮かべたのだろう。
ビストロ,ワインバー、バスク料理の店,洋風居酒屋。
全部ハズレである。
隣席には,二人連れとおひとり様地元客が来て,食べたものは,煮魚定食であった。
そうここは,大衆食堂なのである。
うどんもラーメンも,チャーハンも丼もある。
世にも稀な,愛すべき変態料理人がいる、大衆食堂なのである。
以下次号。