効率を求めて失った、幸福があった。
タチウオと日本かぼちゃの揚げ物である。
タチウオは、甘い湯気をあげて、噛めばムースのように滑らかで、品のある滋味が流れて行く。
そこへカボチャである。
西洋かぼちゃと違い、口の水分を奪おうとはしない。
繊維が無きかのように、ぽってりと、しなやかに舌の上で崩れて行く。
ホクホクはせず、しっとりとムースのごとき。
かぼちゃ自体の甘さが緩く、その奥ゆかしさに惚れる。
世に溢れる（というか日本かぼちゃを見つける方が困難）西洋カボチャとは違う、慎ましさという美学を携えたかぼちゃである
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