お好み。

食べ歩き , シメご飯 ,

「今日は寒かったから、まず丸吸を茶碗でいっぱいもらおうかい。それともずく酢をとりあえず」

「お酒は燗酒ね。そうだポテサラとお造りは何があるの?マグロにイカ、鯛に鰹かあ。うん?キスがある。ならば昆布締めを頂戴」

カウンターには野菜が並んでいる。

「アスパラはバターと炒めて、うん?椎茸も炒めますかって? 椎茸入りません。アスパラだけでお願いします。いい冬瓜があるねえ。これは何するんですか? 蟹のクズあんかけかあ。ならば、カニはいらないからシンプルな葛あんかけでお願いします。蓮根も美味しそうだねえ、これは厚切りでじっくり焼いて醤油味で食べたいな」。

「今日のおすすめは伊勢海老、鱧に稚鮎かあ。ならば鱧はフライにして、稚鮎は天ぷらにしてください。」

こうして手早く、次々と料理が運ばれる。

飲む飲む。

お腹が膨らんできたところで、酒の友達をお願いしよう。

「すいません、へしこにバチコ、それに鯛の塩辛ね」。

いずれも質よく上等で、酒を飲めえ飲めえと、煽ってくる。

「そろそろご飯にしますかあ」

ここはお客のわがままに応えるべく、天丼、カツ丼、鯛茶漬けに各種茶漬け、おにぎり、とろろご飯、生蕎麦、稲庭うどん、にゅうめんなどいかようにできますよと待ち構えている。

「僕は白いご飯と焼き海苔とわさび、このわたね」

ほろ酔いで、白いご飯にこのわたとわさびを乗せ、海苔で包んで食べる。

たまりません。

上質なわがままを聞いてくれる割烹が復活してくれて、こんな嬉しいことはない。

赤坂「口悦」にて。