年々人々の関心は、野菜に向けられているようだ。
そんな世の動向に適応して、野菜を主役に据えた店が増えてきた。青山の「GOKAKU」や、コース全品を野菜だけで作る銀座の「六雁」。
あるいは、赤坂のフレンチでその名も「オゥレギューム」や銀座の韓国料理「はいやく」、東北沢の「チャイニーズ・ベジ」など、野菜に力点を置く店が増えてきている。
コメと豆と野菜をテーマに、ホールフード理念を提唱する「ブラウンライス・カフェ」は、そんな時代を代表するカフェであろう。
表参道の裏通りに建つビルの奥に位置し、天然酵母のパンと季節の菓子を作るパントリーと、料理教室、アロマグッズショップが併設されている。
昼の人気は「季節の野菜せいろ蒸し膳」だ。
注文するとまず前菜として、天然酵母パンにゴマと豆腐のペーストとりんご、ラデッィシュを載せたカナッペとかぼちゃのローストが運ばれる。
やがて主役が湯気を立てて登場。直系二十センチほどのせいろをあけると、さまざまな野菜がぎっしりと詰められている。
里芋、黄ピーマン、プチトマト、人参、ごぼう、玉ねぎ、れんこん、葱、インゲン、エリンギ、マッシュルーム、かぼちゃ、なす、蕪、ジャガイモと15種類。
すべて皮付きのままで、齧ると力強い甘味、香り、えぐみが解き放たれる。
根菜類の土の温かみ、茸類の香りが伝わる清々しい昼食で、玄米ご飯や根菜類の味噌汁と食べ進めば、健やかな気分になること請け合いである。
「季節の野菜せいろ蒸し膳」1680
BROWN RICE CAFÉ閉店
渋谷区神宮前5-1-17
5778-5416