ドシンッ。
料理がカウンターに置かれるたびに、そんな吹き出しが出た。
イタリアンはこうでなくてはいけない。
単一色の骨太料理に、色気はない。
だが口にし、養分となり、食べた人から立ち上る活力が、色気となって滲むのだ。
フィノッキオにオリーブ油と塩だけをかけ、オレンジを添えたサラダ。
縮ほうれん草、菜の花、小松菜とターサイを、微かに歯応えが残るほどに、徹底的に塩湯で茹で、ニンニクの香りをつけたオリーブ油で和えた、葉類のたくましいあまみが勇気をくれる「青菜のクタクタ煮」。
ラルドのコクとあまみが優しい卵の味わいと溶け合った、「ラルドと卵のスパゲッティ」。
肉の繊維感を残して仕上げた、ソフリットの香りが生きた「テールのローマ風煮込み」。
友人と談笑しながら、料理を食らい、ワインを飲む。
「人生って悪くない」。
そう思える時間をありがとう。
札幌「トラットリアオクムラ」にて。









