西早稲田「旧雨」
薬膳中国料理で人気を得ていた「古月 新宿」のオーナーシェフであった前田克紀さんが開いた店。前田さんは、中国の中華中医薬学会が認定する「高級栄養薬膳師」で、中医学に通じている。店は年8回コースをかえて季節ごとに変わる体調を整える料理を出されている。だがあえて説明はなく、薬膳臭くもなく、しみじみと美味しい料理を出される。コースは全9品で9500円。夏は以下。
1「ボタンエビ雨秋茄子の和物、ナンプラー風味」。
ボタン海老とナスの食感が同期するのが面白い。ナンプラーの味付けも淡く見事。アクセントとしてクラゲ,オクラ。そして香菜の香りをそえる2「おおまさり、砂肝、ザーサイ,紹興酒」。茹でた千葉産おおまさり(ピーナッツ)と茹でた砂肝を紹興酒風味で合わせた前菜。ピーナッツと砂肝を噛み締めていくと、食欲が湧き出てくる不思議がある。
3「ウツボと苦瓜、泡菜」。
コラーゲン豊かな靭の煮物に苦瓜のほのかな苦さと青い香りをアクセントする、夏らしい逸品。スイカ皮の泡菜(四川漬物)の酸味が味を締め、しみじみとしたうまさが募る。ぴたりと味付けが決まった、出過ぎない品がある。
4「小冬瓜の養生スープ」干貝柱,干椎茸,えび,金加ハム,鶏肉、夜来香によるスープ。澄んだ甘みの中に、体が自然に感じる滋養があり、深々と感謝が湧き上がる
5「空芯菜の炒めもの」
蝦醤で味付けたタコともやしを加えた炒め物。ニンニクや蝦醤の出し方がギリギリの一点に留め、美しい。空芯菜の加熱も完璧である。
6「春巻」。帆立とトウモロコシ。違う甘さが共鳴する。ま他その淡い甘さを邪魔せぬよう極薄皮を使っている点もいい。
7「合鴨とへちまの蒸し煮 梅風味」台湾の年代物梅干しで味付けた料理、香りの出し方が素晴らしく、蕩然とさせられる。
8「冷製緑豆麺」
緑豆を打ち込んだ麺に、肉味噌 とナッツ,豆乳による冷たいスープ麺。
8デザートは、台湾風 銀杏,ハトムギ、うずら卵のスープ。