野菜は息づいていた。
シュクッと白アスパラガスは叫び、コリッとカリフラワーは弾け、ポワローは、くたりと甘くしなだれる。
ザクッと胡瓜は裂け、シャキッとセロリは香り、人参は、カリッと小さくつぶやく。
噛めば、精気がほとばしる。
みずみずしい。
みずみずしいが、生の無垢なみずみずしさではない。
呼吸をしながら過熱され、甘みをじっくり引き出し、酢とコリアンダーの香りを自然に取り込んだ、深いみずみずしさがある。
それは、生命が内包する脆さをも感じさせ、自らが生きていることの奇跡と生かされている感謝を染み渡らせる。
久しぶりに食べた「コートドール」の「野菜のエチュベ」に、ただただ、頭を垂れる。
野菜は息づいていた
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