玉ねぎの蓋を取ると、甘い芋の香りに交じってトリュフの色香が顔を包んだ。
目を細め、そっと笑う。
鶉の卵を潰し、スープとともにスプーンですくう。
ポタージュにされた菊芋の愚直な甘みが，黄身の純な甘みと出会って、ほほ笑んでいる。
鶏のレバーのうまみが、菊芋に静かに寄り添って、優しさを膨らます。
ふうっ。純朴なうまさにため息ひとつ。
心が安らかに充足していく中で、、ちらりとトリュフが心を焦らす。
安寧とトリュフの官能にもまれながら、幸せが体の底からせりあがってくる。
今朝のような、寒い日にこそ飲みたいなあ。
代々木上原「オストゥ」の「トピナンブールのブロデットとレバー、鶉の卵、 モンフェッラート産黒トリュフを詰めた 玉葱のオーブン焼き」。