昨日から上海本店一番の点心師が来日して、作っていると聞き、居ても立ってもいられず、「蟹王府」にやってきた。
一流点心師の作る点心は、まずヒダが美しい。
等間隔で長さも同じヒダガ並んでいる姿は、惚れ惚れしてしまう。
いつまでも眺めていたいが、大至急食べねばならない。まずは、「パクチーと豚肉の餃子」ですな。
噛めばむっちりとした皮に歯が包まれる。
これは端っこを少し齧り、スープを吸ってから食べなくてはいけない。
存在感のある皮と豚肉のうまみが広がる中を、パクチーが爽やかに香って、食欲を掻き立てる。
次は上湯蟹の小籠包である。
一つの小さな小籠包に、蟹が三分の一入っているという。
先っちょを齧って、スープを吸う。
あわわわわ。
一気に蟹味噌の濃厚が口中を埋めつくして、圧倒された。
餡を齧れば、さらに蟹風味は増幅し、うっとりとなる。
なにより皮が素敵で、小籠包はスープが入ってる関係で、皮が破れやすい。
そのため、どうしても皮が厚めの店が多いが、さすが一流である。
皮はあるが、無きのごとくに薄く、ふわりと消えていなくのであった。
驚きは、まだこんなものでは済まなかった。
次は、ナマコとエリンギの小籠包?である。
小籠包より薄い皮で、中の具が透けて見える。
甘辛い醤油味で炒めた、ナマコとエリンギ、人参、ニラ、春雨が入っている。
一口食べて、ご飯が恋しくなった。
そこでご飯をもらい、小籠包を乗せ、崩して掻き込んでみた。
ハハハハハ。いいぞ。
最後はスープ小籠包である。
スープ餃子と言っても、スープの中にあるわけではない。
上海蟹を約二分の一ハイ入れて作ったスープがたっぷりと入った餃子なのであった。
これはまずストローで中のスープを吸ってから、食べる。
全部吸ったつもりでも、ご覧のように、まだたっぷりとある。
これもご飯だなと、ご飯をぶち込んだ。
混ぜ混ぜして食べる。
すいません。もう笑いが止まりません。