一つとしてわからないパスタ名

食べ歩き ,

ストランゴッツィ、マンフリーコリ、ストラシナーティ、チリオーレ、コルデッロ・ディ・フラーティ、ピエキエッティーニ、フラスカレッリ。
メニューを開けると、一つとしてわからないパスタ名が列記されていた。
おそらくよほどのイタリア料理通か、ウンブリア州に関わっていた人でしか、わからないに違いない。
「オステリア・デッラ・スクード」は、今ウンブリア州を出している。
最初の一皿は、ポルケッタとカリフラワーのピクルス、パプリカのマリネである。
その一つカリフラワーを食べて目を丸くした。
酢の味わいが深い。
それがカリフラワーのほのかな甘みと出会って、永遠の豊かさになっている。
私の知っているカリフラワーだが、カリフラワーではない。
この店ではいつもこんなさりげない料理に感動させられる。
薄く切られながらも味が濃いポルケッタもパプリカも、素晴らしい。
SCAFATA
スカッファータ 空豆とグリンピース ノルチャ産パンチェッタの蒸し煮 ミント風味
パルマ産より塩が効いていて水分が抜けているという、ノルチャ産パンチェッタの脂がしまって美味しく、その脂の甘みが染み込んでトマトソースとクッタリ馴染んだ豆が優しく甘い。

MINESTRA Di Lenticchie Casteluccio
カステルッチョ産レンズ豆と栗のミネストラ
豆です。
笑いが止まりません。
レンズ豆の朴訥とした甘みと栗の雄弁な甘みが、こんなにも合うとは知りませんでした。
豆の力強さに栗の穏やかな甘みが忍び寄る。
この二人は遠い親戚だったのか?
そんな両者をラルドがコクを深め、ローズマリーが盛り立てるのであります。

パンは、ウンブリア州の栗粉のパン、塩なしのパン、くるみとナッツのパン

MANI|FRI=KORI DI GRANO ANTICO ALPESTO DI TARTIFO NERO
古代小麦を練りこんだマンフリーコリ 黒トリュフのペースト和え  FB参照

STRAPPATELLA DI PASTA LIEVITATA AL RAGU D’ANATRA IN SAPORE Di VINSANTO
フスマ入り発酵生地のストラパテッラ 鴨ラグー ヴィンサント風味
ヴィンサントの甘みが鴨の滋味をいたわって、優美な味の深みを出している。
そんなラグーソースと、ねちっとした発酵生地の微かな酸味が絡んで、忘れえぬ味の体験を残す。

ARROST DI MAIALE ALLA COLATURA D’ALICI IN MANIREA DI ANTICO ROMANO
コラトゥーラでマリネした原種豚のアッロスト 古代ローマ風仕立て
昔塩が貴重であった時代に調味料として使われたという、ローマの料理の影響を受けた料理だという。
そりゃコラトゥーラの練れた一筋縄ではいかぬ塩気が、豚の甘みに色気を与え、鼻息が荒くなる。
余韻だけでワインが進むのであった。
添えられたピュレは、乾燥ソラマメのピュレで、ひねた味わいがいいのね。

ドルチェ
王のサラミと言われるカスタードとベリーチョコによる菓子
ヤギのチーズのセミフレッド
りんごのクレッションデリメパンナパート
胡椒とナッツのパンペパート