朱塗りの丼が運ばれた。
蓋を開けると、ご飯の上に小さなフライが二つ乗っている。
なんだろう。
一つをかじる。
ああこれはハモである。ハモカツ丼である。
落としハモや牡丹鱧より、フライにされた鱧は猛々しい。
濃い甘みが舌の上に乗って、ご飯を恋しくさせる。
見ればフライの縁に、梅色が見えている。
ソースの代わりに梅肉ソースが裏面に塗りつけてある。
この酸味とうまみ、ほのかな甘みがご飯を一層恋しくさせる。
「鱧はカツ丼に限る」。
なんて嘯いてみたいなあ。
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