〜夏専用〜
こんな暑い日のお昼には、「趙楊」の「夏回鍋肉」が食べたい。
油を多用しながら油を感じさせずに、そのコクだけを苦瓜と豚に浮くにまとわせて、生姜の漬物と辣椒醤で味をつけた夏回鍋肉は、普通の回鍋肉のような甘みがない。
その分重みがなく、辛く苦く、食べるごとに食欲が湧いて、猛然とご飯が欲しくなる。
この料理でご飯を掻き込みながら、時折冬瓜のスープを飲む。
ああたまらない。
あるいは「瓢香」の「魚香肺片」もいい。
豚レバーの甘み、苦瓜の苦み、トウモロコシの食感が、甘酸っぱく辛い魚香ソースの中で絡み合い、そこに泡辣椒の錬れた深い酸味が効いていて、またご飯を恋しくさせる。
レバーを食べ、苦瓜を食べ、急いでご飯を掻き込む。
甘み、苦み、酸味、うま味、塩気を、ご飯はがっちり受け止めて、気がつけば熱い夏なぞ忘れている。
〜夏専用〜
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