「大夢」暮れの秋

食べ歩き ,

「大夢」暮れの秋 10・23

十三夜の次の日「大夢」にて。
秋の暮れというと秋の夕暮れのことですが、「暮れの秋」というと晩秋のことを言います。
11/17が重陽の節句、菊の節句で、10/21が十三夜で雲ひとつなく、神々しく輝いてまいりました。
実りの秋を迎えることができました。今日は今年の秋の実りを楽しんでいただきたいと思います。
玄関は、水辺に菊の花を浮かべまして、「菊水」です。 
昔、甘露の水が流れる谷がありました。その山上に菊の花が咲き乱れており、その山上から流れてきた雫を飲んだひとたちが長寿となった村があるということから、伝説の菊水ということです。
そしてその上には吉兆の蝶々を飾りました
床の間は実りの秋です。
新穀も飾らせていただきました。そして十三夜、栗名月、豆名月というそんな時期ですので、栗、なた豆、猿の腰掛、ざくろ、老爺柿(ろうや柿、渋柿)、野老(ところ)、からたち(柑橘系ミカン科 未熟な実は漢方薬。棘がすごいので昔は泥棒よけとして植えられていた)、オクラのようなのはイケマ(牛皮消)、桐の実(鳳凰が食べるとされる)、サンザシ、ひよう菊、黒ホオズキ、ウバユリの実、マムシグサ、山帰来、赤松。


1・椀 霊水譚(霊水という話・譚は話) 菊の花が乱れる仙境に住む美少年がいた、その美少年は菊の花にお経を書きしたためて、その菊の花から滴る霊薬を飲み続けて七百年生き続けた。その霊薬は不老長寿の薬となって国土を潤した。不老長寿のお椀、甘露の雫として丹波栗のお椀 FB参照
1・向附  しび鮪 ケンサキイカ、紅たで:マグロ微かな酸味、実に滑らか。イカ、包丁目が数多く、甘みがます。 紅たではお腹の薬
1・揚げ物 「菌(竹)」 松茸の天ぷら 胃腸病、安産の薬となった。香りは傘、茎は甘い。うらうらと薫。豊作の香り。
 「今は盛りとかぐわしい香を放つ高松の この峰も狭に、笠立てて 満ち盛りたる、秋の香のよさ」
1・強肴「甘露」 揚げ銀杏、紅玉の水煮とアルプス乙女、芋がら、モロッコインゲン、不老長寿のもって菊を浮かべて。りんごの甘酸っぱさの清いこと、汚れなきこと。
1・焼物「年魚」 子持ち鮎 
1・飯物「秋の香」 松茸ご飯 FB参照
1・水菓子 蓬莱氏イチジク:乳のような香り、噛まずとも消えていく。在来種山葡萄ジュース
1・菓子「初雁」、暮れゆく秋の景色、安納芋とサツマイモを使った蒸し菓子
薄茶