和食
(1247件)-
なぜこんな店が東京にないのだろう
食べ歩き8371番目の夜だった。 35年間営まれてきた店は、閑静な住宅街の中で灯りを落とし、ひっそりと佇んでいる。 「いらっしゃいませ」。いつものように……
続きを読む -
それは、人間が触れてはいけない甘みだった
日記それは、人間が触れてはいけない甘みだった。 どこまでも気高く、凛々しい甘みである。 凍土の下から掘り出された人参は、揚げる寸前に泥を拭い、洗われ、切られる。……
続きを読む -
まるでムースである
日記まるでムースである。 噛んだ途端に魚の身体が、甘い煙となって口に舞う。 ふわりと、優美な甘みが広がって溶けていく。 ふわふわ、ふわふわふわり。 ……
続きを読む -
出された瞬間、喜びはしたものの、際どいかなとも思った
食べ歩き出された瞬間、喜びはしたものの、際どいかなとも思った。 海老芋、焼き白子、ウニである。 まず白子を潰し、ウニと混ぜる。 そっと食べてみれば、最初に艶……
続きを読む -
噛んで。もっと噛んで。
日記噛んで。 もっと噛んで。 鯛のカマが、囁いた。 一回噛んだだけでは到達せぬうま味が、肉体の深層にある。 噛んで、噛んで、噛みゆくうちに、口を満たし、……
続きを読む -
最初はきれい
日記最初はきれい。 澄んだうま味が、舌を滑ってゆく。 ゴボウを噛む。 筍を噛む。 桜島大根を崩す。 椎茸を口に含む。 ニンジンを潰す。 豚ばら肉の塊に……
続きを読む -
カニはまだ海の底にいた
日記カニはまだ海の底にいた。 肉をそっと噛むと、カニの体液がしたたり落ちる。 命が微かに動く。 淡い淡い甘みを感じたが、それは甘みではなかったのかもし……
続きを読む -
小さな小さなお重に
日記小さな小さなお重に、おせちが並ぶ。 ミニマムの魅力を求める、六本木ミッドタウン「水蓮」の真骨頂である。 見た目の華やかさだけではない。 小さくとも食材の持……
続きを読む -
名古屋「野嵯和」
食べ歩き名古屋「野嵯和」 「甲殻類のダシを塗りながら焼いたボタンエビ 青じそのスプラウト」 甲殻類のダシの強さが精妙。 「白えびのドーナッツ」 「卵白と混ぜた松葉……
続きを読む -
門前仲町 天ぷら「ふく庵」
天ぷら「ふく庵」
食べ歩き今月も、ベテランの巧みと新店での驚きに満ちていた。 フレンチの菊地シェフや比留間シェフ。中国料理の脇屋シェフ。日本料理では、名古屋の野澤さんや大阪の穴見さん……
続きを読む