黒いダイヤモンド

• 東京,
• 牛,
• フランス料理

ある人は、「黒いダイヤモンド」と呼ぶ。 それは、運ばれてきた瞬間に嬌声が上がる。 赤黒く、艶やかな球体から、渾然と甘い香りがゆらめき、顔を包む。 ああ……

リンゴの中で

• 東京,
• フランス料理,
• 果物,
• スィーツ

リンゴの中で、太陽が息づいていた。 大地と太陽から養分をもらった紅玉は、焼かれ、甘味と酸味を凝縮し、舌にこぼれ落ちる。 そこにはただ甘酸っぱいだけではない、……

走る居酒屋

• 和食,
• 弁当　駅弁,
• 京都,
• アルコール

大井町にあるバーの女店主は、新幹線を「走るバルである」という名言を吐いたが、ならば私は「走る居酒屋］である。 今日はちょいとしゃれて「走る小料理屋」かな。 ……

大根が、命のしずくを滴らせ

• 和食,
• 割烹,
• 京都,
• 野菜,
• 根菜

酒粕汁の甘みが、舌を流れ、喉を静かに降りていく。 深々とした滋養が細胞に染み渡り、ふうっとため息をつく。 分厚く切られた淀大根を口に含み、噛めば、出汁のうま……

運ばれてきただけで

• 東京,
• ハヤシライス,
• フランス料理,
• ご飯料理,
• 洋食

運ばれてきただけで、幸せを呼ぶ。 香ばしい湯気が顔を包み、甘酸っぱく、濃縮感のある香りが、脳幹を揺さぶり、唾液を呼ぶ。 スプーンを差し込むのをた……

官能に直接会いに来るやつ

• 東京,
• 和食,
• 白身魚,
• 割烹,
• 魚卵　白子,
• 鍋なべなべ

こいつは、どうしていつも、官能に直接会いに来るのだろう。 他の魚の白子とは明らかに違う、無垢の禁断があって、舌と能をたぶらかす。 圧倒されるようでいて、品が……

甘鯛は甘えん坊

• 東京,
• 和食,
• 白身魚,
• 魚介,
• 割烹

甘鯛は甘えん坊である。 しかしそこをうまくおだてながら。時折刺激を与えると、異なる表情を見せる。 腹皮の蒲焼きは、甘えん坊の風味と甘辛いタレの味が出会い、な……

蟹は、白みそと出会って嬉しそうだった。

• 和食,
• 石川,
• 宿,
• 甲殻類

蟹は、白みそと出会って嬉しそうだった。 異なるはずの互いの甘みが、優しく抱き合い舌に落ちる。 その思いを高めるべく、蟹の身を外して汁にすべて落とし、……

深く。永遠に深く

• 東京,
• ワイン,
• フランス料理,
• ジビエ

深く。永遠に深く。 ソースの深淵が見えぬほど、深い。 複雑なうまみを満々とたたえているのに、軽い。 酸味が華やかで、滋味が艶やかに流れていく。 と書いて……

「一椀水」2013/11/22

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「一椀水」2013/11/22 「前菜4品』 ★牡蠣　るー水 ★湯葉　凛々しい ★さんま黒酢ギリギリの味 ★菊菜と押し豆腐　辛み松……