経堂「ホスタリア エル・カンピドイオ」

春の名残。

食べ歩き ,

アーティチョーク(カルチョフィ)は、ひとつの茎から四本ほど蕾が出る。

その真ん中の一番大きいものをイタリアでは、マンモレ(お母さん)と呼ぶ。

可食部分が多いマンモレを、経堂「ホスタリア エル・カンピドイオ」でいただいた。

フランスでは、しごいて食べるが、イタリアではがく片も全て食べられる状態にする。

若いうちに収穫し、中心の柔らかなところを煮たり、リゾットにして丸ごと食べる。

吉川さんが作ってくれたローマ風は、外側を桂剥きし、ミントとパセリ、ニンニクの微塵切りを詰め、鍋に入れて、白ワインなどを加えた水で煮る。

出来上がったカルチョフィは、ムースのような食感で、初夏のたくましさと優しさを含んで、ほのぼのと温かい気分になる。

ほっくりとほのかに甘く、微かに苦いその味は、春の名残を秘めていた。