長野県
(73件)-
野菜が生き抜いた味。
食べ歩き「今お飲みになられているお酒の酒粕で漬けました」 品が漂う白髪の女将は、そう言って漬物を出された。 大根、きゆうり、人参。 どれも野菜が生き抜いた味がする……
続きを読む -
2019年に、初めて訪れた店は、289軒だった。
食べ歩き2019年に、初めて訪れた店は、289軒だった。 去年が164軒だったから、また増えたことになる。 多くの旅をした結果である。 旅をすると、ど……
続きを読む -
「ひら」。「のこ」。「あぶら」。「にらせんべい」。
食べ歩き「ひら」。「のこ」。「あぶら」。「にらせんべい」。 長野「小鶴」には、なんだか、さっぱりわからないメニューがある。 聞けば、ひらは豚の大腸であり、のこは直腸……
続きを読む -
ラーメンとはなにか
食べ歩き褪せた赤のれんをくぐると、細長いカウンターが伸びていた。 剥げかけ、客の愛着が沁みこんだカウンターに座る。 「そばを一つください」 「はいよ」。 奥……
続きを読む -
モツの満員電車
食べ歩き長野「小鶴」の煮込みは、モツの満員電車である。 野菜もこんにゃくもなく、大腸、小腸、胃袋が、身を寄せ合い、ひしめき合う。 クニュ、ふんわり、シコッ。 それ……
続きを読む -
栗の声を聞いた。
食べ歩き栗の声を、聞いた。 幾重にも連なる栗の糸を、慎重に口に運ぶ。 その途端、糸は、はらはらと舞い散って、夢となった。 「これが私なの」。そう栗が呟いた。 こ……
続きを読む -
「朱雀モンブラン」
食べ歩き栗10個くらいの口の中に突っ込まれたかのような勢いがあった。 「小布施堂」の「朱雀モンブラン」である。 切って口に運ぶ。 クリームがふんわりと舌に乗って、……
続きを読む -
「雁の山」
食べ歩き日本人が和菓子というものに、自然を託してきた美学が、ここに息づいている。 小布施から望む雁田山にちなんだ「雁の山」は、小豆あんを山に、裏ごしした栗を空に見立て……
続きを読む -
燃えるりんごの精。
食べ歩きりんごの精が燃えていた。 口に運べば、ムースのように舌に広がり、滑らかに消えていく。 自然で濃密な甘みが膨らむが、後口に優雅な酸味が、そっと立ち上がる。 ……
続きを読む -
甘い
食べ歩き甘い。 とても甘い。 しかし杉山さんが作るスイカは、ただ甘いだけではない。 甘さに品がある。 甘さに知性がある。 シャリッ。 かじりつけば、軽快な音……
続きを読む